一斉値上げ、過去に何度も=ビール大手、公取委も長年注視

世界の日本食ブーム 今何度目?

 ビール大手4社はこれまで、酒税法改正による酒税率の変更に合わせ、ほぼ同じタイミングでビールなどの価格改定を繰り返してきた。ただ、過去10年で見ると、酒税率に変更がなかった2018年と22年、25年にも、各社は足並みをそろえるようにして、出荷価格を引き上げている。
 4社は18年春、原価割れをするような過度な安売りを国税庁が規制したなどとして、ビールなどを値上げした。各社は原材料費や輸送費の上昇などを理由に、22年10月と25年4月にも一斉に価格を引き上げている。
 価格の詳細は公表されていない。ただ、業務用酒類の卸商社などでつくる業界団体「全国酒類業務用卸連合会」の幹部は「いつも同じ幅で値上げしている」と明かす。
 公正取引委員会の関係者は、大手4社がほぼ横並びでビール価格を引き上げる動きを「長年、注視してきた」と語る。
 各社は1990年と94年にビール、03年に発泡酒を、ほぼ同時期に、同じ幅で値上げした。公取委は当時、この3回の値上げは同調的だとして、独禁法に基づき理由を報告させている。4社とも90年はコスト上昇、94年と03年は酒税引き上げを理由に挙げ、公取委がカルテルなどを認定することはなかった。
 公取委は05年、価格調整への抑止力が十分ではないとして、同調的値上げに関して、理由の報告を求める制度を廃止している。 
〔写真説明〕大手4社のビール。(左から)アサヒビールの「アサヒスーパードライ」、キリンビールの「キリン一番搾り生ビール」、サントリーの「サントリー生ビール」、サッポロビールの「サッポロ生ビール黒ラベル」