ビールなどの出荷価格を巡り、カルテルを結んでいた疑いが強まったとして、公正取引委員会は7日、独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで、アサヒビール(東京都墨田区)とキリンビール(中野区)、サントリー(港区)、サッポロビール(渋谷区)のビール大手4社を強制調査した。関係者への取材で分かった。
強制調査は犯則調査権限に基づくもので、公取委は、検察当局への刑事告発を視野に調べを進める。
消費者の生活に密接に関連する商品を巡り、市場をほぼ独占する4社が価格調整をしていた疑惑は、刑事事件に発展する可能性もある。
関係者によると、4社は数年にわたり、卸業者へのビールなどの出荷価格を調整していた疑いが持たれている。
各社の営業担当者らが定期的に集まり、ビールや発泡酒の出荷価格の値上げ時期や、引き上げ幅に関する情報を共有するなどしていた可能性があるという。
ビール市場は1兆円、発泡酒市場は4000億円規模に上るとされる。公取委は、巨大市場を寡占する4社が足並みをそろえて価格を調整すれば、消費者の生活に与える影響は大きいと判断。強制調査に踏み切ったとみられる。
公取委が4社のカルテルを認定した場合、対象期間の売上額などを基に算出される課徴金は、市場規模が大きいため、高額に上る可能性がある。
〔写真説明〕(写真左から)サッポロビール、キリンビール、サントリー、アサヒビールの本社
〔写真説明〕大手4社のビール。(左から)アサヒビールの「アサヒスーパードライ」、キリンビールの「キリン一番搾り生ビール」、サントリーの「サントリー生ビール」、サッポロビールの「サッポロ生ビール黒ラベル」