2026年10月1日より長野地区で営業運転を開始したE131系200番代。実際に乗車してみると、意外にも、懐かしさを感じる部分がありました。
長野地区向けのE131系200番代がついにデビュー
JR東日本が長野地区に導入した新型車両E131系200番代の営業運転が2026年10月1日より始まりました。
E131系はJR東日本が地域輸送用の一般形電車として導入している新型車両グループで、房総地区をはじめ、宇都宮線・日光線や相模線などで導入されています。これらの路線に加え、新たに長野地区用が導入され、中央本線・篠ノ井線・信越本線で使用されることになりました。
長野地区に導入されたE131系200番代は走行する範囲が広く、長野県と山梨県に加え、神奈川県と東京都のエリアも少しだけ走っています。この車両が利用者にどのような形で受け入れられているのか、実際に乗車して確かめてみました。
乗車したのは営業運転開始2日目となる10月2日で、中央東線小淵沢14時49分発高尾行きの列車を、途中の大月から乗車しました。この列車は大半の区間で山梨県のエリアを走行しますが、終点の高尾方で神奈川県と東京都のエリアも走ります。
今回導入されたE131系は3両編成で、乗車した列車では2本連結して6両編成でやってきました。E131系では走行する路線に合わせて車体や座席の色、編成の長さを変えています。
長野地区向けのE131系200番代では、車体色は既存の車両から引き継がれ、青系のアドバンスブルーと緑系のリフレッシュグリーンの2種類のラインを添えています。正面は黒い顔で、水玉模様を添えた姿はE131系共通のデザインですが、水玉模様の色はラインの色が使われています。
600番代の色違い? だが車内は大幅に「簡素化」
E131系の一族では、宇都宮線・日光線に導入された600番代も3両編成です。長野地区向けのE131系200番代は、600番代の色違いとも言えそうです。しかし、E131系200番代では600番代よりも車内設備の簡素化が目立ちます。
一番目立つのは扉の上にある車内表示器で、従来のE131系で液晶画面だったものが、E131系200番代では、文字のテロップだけを流すカラーLEDとなりました。
荷棚はアルミ製の板からステンレス製のパイプとなり、手すりは微細な凹凸がある質感をやめ、つるつるした質感に戻っています。また、扉とその脇にある柱は化粧板も貼らず、ステンレスの地肌のままとしています。
座席の色は青、床の色は灰色が使われています。この色使いは相模線のE131系500番代や横須賀・総武快速線のE235系とよく似ているものの、よく見ると違っています。
座席配置はロングシート、扉は4つの「東京仕様」
E131系は走行路線によって座席配置に違いがありますが、長野地区向けのE131系200番代は全ての座席が窓を背にしたロングシートとなりました。
中央本線・篠ノ井線・信越本線で使用されている211系では、ロングシートの車両のほか、ボックス席のクロスシートも備えたセミクロスシートの車両も混在しています。さらに、211系の一世代前の車両である115系では、セミクロスシートが標準でした。
車両が代替わりするにつれてロングシートの割合が増えていき、211系が引退するとロングシートに統一されることになりそうです。
とはいえ、115系から211系、E131系と車両が代替わりしても、客層の変化は少ないように見えます。乗車した小淵沢発の普通列車では、車内にハイキング客と学生が混在し、ハイキング客は疲れ切って寝ている姿が目立っていました。
115系時代のボックス席はハイキング客好みの座席配置でしたが、211系やE131系と代替わりするにつれて、通勤電車の客室に変わっています。E131系では、座席の座り心地が比較的良いのが救いかもしれません。
新車の営業開始から間もないということで、写真を撮るファンの姿も見られました。ただ、さすがに山梨の大月までやってくるファンの姿は少なく、終点の高尾でファンの数が一気に増えるといった具合でした。
新型車両といっても、真横から見た姿や内装の基本的な作りは中央線快速電車で使用されているE233系と大差がありません。E233系は大月までやってくることもあり、単なる色違い程度しか認識されない可能性もあります。
というのも、側面の扉の数も、E131系はE233系と同じく片側4か所だからです。115系や211系は片側3か所です。大月~高尾間では3扉の電車と4扉の電車が混在しているためか、整列乗車の考えは薄く、やってきた電車の扉の位置に合わせて歩く人の姿が見られました。
E131系200番代が営業運転に就くにあたり、駅のホームではE131系200番代用の乗車位置目標も整備されています。211系が引退してE131系200番代やE233系ばかりとなれば、乗車位置も統一されて整列乗車の習慣が定着するのかもしれません。
走りも「東京の電車 in 山梨」状態!?
一般的に、回生ブレーキの機能を備えた電車では、ブレーキの際はモーターを発電機として利用し、減速する際に発生するエネルギーを電気に変えて回収しています。E131系でも回生ブレーキの機能があり、さらに抑速ブレーキでも回生ブレーキを使用しています。
E131系200番代が走る中央本線や篠ノ井線は、勾配やカーブの多い路線としても知られています。大月から高尾へ向かう際は、高尾に向かって山を下る形となり、下り坂が続きます。先の抑速ブレーキを使用すると下り坂を一定の速度で走行することができ、回生ブレーキと組み合わせることで電気を架線に戻しながら走っています。
しかし、発生した電力が他の列車などで使用されないと、回生ブレーキを有効に活用することができません。このため、E131系200番代ではブレーキチョッパ装置を搭載し、回生ブレーキで発生して使い切れなかった電力を屋根上にある抵抗器で熱に変え、安定してブレーキが働く仕組みを備えています。
このブレーキチョッパ装置は、宇都宮線・日光線のE131系600番代や、中央本線では特急「あずさ」「かいじ」に使用されている特急形電車のE353系にも搭載されています。ブレーキチョッパ装置が動作すると「プー」というチョッパ音が発生しますが、乗車した高尾行きの列車でもブレーキチョッパ装置が頻繁に動作していました。
この音は、中央線快速電車ではE233系の一世代前にあたる通勤形電車の201系を彷彿させます。201系は電機子チョッパ制御を採用し、加速やブレーキの際に甲高い「プー」というチョッパ音を聞くことができました。201系も大月に乗り入れていましたが、E131系200番代の音を聞くと、201系が戻ってきたようにも聞こえます。
E131系200番代は、3両編成20本が導入される予定で、2026年10月時点では14編成が登場しています。このうち、一部の編成が営業運転に就き、運用開始時点では211系の6両編成に代わって使用されています。E131系200番代はワンマン運転に対応した車両ですが、今のところは車掌が乗務しています。