「令和初の駅」が令和のうちに消える? 開業わずか10年弱で廃止の可能性 数奇な運命を辿る「令和コスタ行橋駅」のいま

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2019年に始まった元号「令和」を冠した駅が福岡県にあります。しかし、令和で初めて開業したこの駅は、運営会社の路線廃止方針により、開業後10年を待たずして姿を消すかもしれません。

災害が変えた運命 「令和初の駅」誕生の経緯

 2019年から始まった元号「令和」。それから7年が経過し、すっかり定着した感があります。その「令和」の名を冠した駅が福岡県にあります。平成筑豊鉄道の令和コスタ行橋駅です。実はこの駅、「令和」で初めて開業した鉄道駅なのですが、早くも廃止の危機に瀕しているといいます。現地を訪れてみました。

 その駅は福岡県の東部、行橋市にある平成筑豊鉄道田川線の「令和コスタ行橋駅」です。この駅名に「令和」と付いているのは、令和になってから初めて開業したことをアピールするためです。

 もともとは2018年に開業予定でしたが、その年に西日本を襲った「平成30年7月豪雨」による被害を受け、開業が遅れることになりました。その結果、最終的に開業したのは2019年8月24日。元号が令和に変わってから3か月後のことであり、図らずも「令和初の新駅」として歴史に名を刻むことになったのです。

 筆者(鈴木伊玖馬:乗りもの好きライター)は、愛知県の名古屋駅から新幹線とJR日豊本線を乗り継いで行橋駅へ向かい、そこから徒歩で令和コスタ行橋駅を目指しました。

 駅に近づくと、ドン・キホーテやダイソー、スポーツジムなどが入る商業施設「コスタ行橋」が見えてきます。駅はこの商業施設のすぐ脇にありました。駅舎は決して大きくはありませんが、木材を中心としたデザインで、オシャレな外観をしています。

 使われている素材にもこだわりがあり、待合室やホームの床などには筑豊地区木材協同組合から提供された「筑豊杉」を、出入口スロープの手すりには地元産の「京築ヒノキ」を使用しているそうです。

バリアフリーにも配慮された”優しい”つくり

 令和コスタ行橋駅は、利用者への配慮も行き届いています。出入口のスロープは車椅子でも移動しやすい幅が確保されており、バリアフリーに対応しています。

 構内には木製のベンチを備えた待合室があり、落ち着いた雰囲気の中で電車を待つことができそうです。黒板をイメージしたような駅名表示もユニークで、訪れる人の目を楽しませてくれます。

 隣接する商業施設と合わせ、なごやかな雰囲気を味わえる令和コスタ行橋駅ですが、この光景を楽しめる期間は長くないかもしれません。

 というのも、2026年9月、平成筑豊鉄道は運営する3路線全線について、2028年度末をもって運行を終了すると発表しました。もちろん、この中には田川線も含まれています。つまり、令和コスタ行橋駅は開業から10年もたたずに廃駅となってしまう可能性があるのです。

 令和で初めてできた駅が、令和の時代のうちになくなってしまうのでしょうか。同路線は廃止後、バス路線に切り替わる計画とのことなので、可能であれば、駅舎が停留所として引き続き地域のために活用されることを願うばかりです。