次期戦闘機GCAPの正確なサイズは「トップシークレット」なのか? モデルから読み解く「本当の大きさ」とは

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日英伊で共同開発中の次期戦闘機GCAP。実物大模型は「大きい」と話題ですがサイズは未公表。その理由と、戦艦「大和」の開発秘話から見える設計思想に迫ります。

「ステルス」のためGCAPのサイズは未公表?

 日本とイギリス、イタリアが共同で開発を進めている次期戦闘機「GCAP」。その実物大模型(コンセプトモデル)が公開され、「大きい」と話題になっていますが、明確なサイズは公表されていません。一体なぜなのでしょうか。そのヒントは、意外にも旧日本海軍の戦艦「大和」の開発エピソードにあるかもしれません。

  GCAPは、最先端の第6世代戦闘機として開発が進められています。その特徴は、武装を胴体内に収めて敵のレーダーから見つかりにくいステルス性を備え、高度なセンサー類や味方同士の高いネットワーク能力を活かした「次元の異なる」戦いを目指している点です。

 一方で、具体的な性能や機体のサイズは公にされていません。一般には全長19~21m、横幅は16m程度と推測されています。これは航空自衛隊の現主力戦闘機F-15J(全長19.4m、全幅13.1m)に匹敵するか、それ以上の大型機になる可能性を示しています。

 2026年7月にイギリスのファンボローで開催された航空ショーでは、GCAPのコンセプトモデルが展示されました。目算で全長は20mほどあり、テレビレポーターが「大きな機体です」と興奮気味に伝えていたのが印象的でした。

 しかし、開発に携わる3か国の合弁企業エッジウイングの社員によると、この模型は「あくまでも『コンセプトモデル』」であり、最終的な姿ではないとのこと。同社に問い合わせたところ、「おおよその数値も含めて公表はしていない。セキュリティ上の理由から近い将来に公表する可能性は低い」との回答でした。

 詳細な機体サイズを公表しない背景には、「ステルス性能を割り出されないため」という理由があります。開発関係者によると、ステルス機はレーダー電波を発信源へ反射させないよう、主翼の前縁や胴体断面など外形の角度を揃えて設計されます。ここに詳細な機体サイズの情報が加わると、レーダーの波長と比較してより精密な解析が可能となり、ステルス性能が分かってしまう恐れがあるというのです。

戦艦大和はコンパクトにつくられた、それに倣えば

 日本の威信をかけて開発される新戦闘機だけに、そのサイズは広く関心を集めています。GCAPは推測されるサイズの中で大きい方になるのか、それとも小さい方へ向かうのか――。ここで思い出されるのが、戦艦「大和」の開発エピソードです。

 旧日本海軍の象徴であった戦艦「大和」の全長は263mでした。それ以前の主力戦艦「長門」(近代化改装後で全長224.94m)より約40mも大きかったため、巨大戦艦と呼ばれています。しかし、設計陣は世界最大の46cm主砲を搭載する艦としては、極力コンパクトに仕立て上げました。その努力は「重要防御区画(バイタルパート)」の集中化や、建造ドックの大きさの制約といった逸話で語り継がれています。

 機体や艦艇のコンパクト化は、運用の柔軟性を増すという大きなメリットをもたらします。仮に求める性能を実現できても、巨大化すれば取り回しに不便が生じます。そうなると、運用側の習熟に時間がかかったり、既存の施設を改修する必要に迫られたりして、維持が大きな負担になりかねません。時には、求める性能よりも運用の柔軟性を優先する「トレードオフ」の判断も必要になるのです。

 この戦艦「大和」の開発エピソードに倣えば、GCAPも第6世代戦闘機としての性能を満たしつつ、極力コンパクトに仕上げた方が使いやすくなると考えられます。ウェポンベイ(兵装庫)や大電力を要する新エンジンは不可欠ですが、近年の複合材料技術で機体重量を抑えることは可能です。

 もしGCAPが大型化すれば、各基地の滑走路が強度を満たすかという問題や、F-15用の格納庫を拡張・新設しなければならない可能性も出てきます。こうした点から、設計陣は「コンパクト化」という壁に挑んでいると筆者は予測しています。

 GCAPの正確な機体サイズが明らかになる可能性は、今後しばらくはないと思われます。しかし、次期戦闘機として大きな期待が寄せられていることは間違いありません。それだけに関心を持ってその動向を見守っていきたいところです。