大雨の日にクルマが上げる水しぶき。実はこれ、マナー違反ではなく交通違反です。歩行者がいなくても注意が必要な理由を解説します。
時速40kmで水しぶきは横2m! JAFの実験結果
大雨で道路に水がたまり、クルマが大量の水しぶきを上げながら走る光景を見かけることがあります。しかし、この「水はね」は単なるマナーの問題ではありません。しかも、歩行者がいなくても注意が必要だといいます。
では実際、クルマが水たまりを走ると、どれほど水が飛ぶのでしょうか。JAF(日本自動車連盟)がコンパクトカーを使い、水深約1cmの水たまりを速度を変えて通過する実験を行っています。
それによると、時速40kmで走った場合、水しぶきは身長約150cmの歩行者の肩付近まで上がり、クルマの横方向にも約2mまで飛びました。実験で使われた水たまりは水深約1cmです。それほど深くない水たまりでも、速度によっては歩道にいる人にまで水を飛ばしてしまう可能性があるのです。
台風やゲリラ豪雨などで見かける大きな水しぶき。歩行者に水をかけなければ問題ないようにも思えますが、実はクルマの「水はね」は単なるマナー違反ではありません。
JAFが2026年6月に公開した記事「運転中、道路にたまった水を歩行者にかけてしまった…これって違反?」で解説している通り、道路交通法では、水たまりやぬかるみを通行する際、徐行するなどして泥や汚水を周囲に飛ばさないよう定められています。
これは、いわゆる「泥はね運転」と呼ばれるもので、普通車の場合、反則金6000円が科されます。「雨で道路に水がたまっていたから仕方ない」というわけではなく、水たまりがあれば周囲に水を飛ばさないよう速度を落として走る必要があるのです。
歩行者がいなくてもNG 「他人」の範囲とは
では、歩行者がいなければ、水を飛ばしても問題ないのでしょうか。
実はそうとも限りません。JAFによると、法律で泥や汚水を飛ばして迷惑をかけてはいけない「他人」には、歩行者だけでなく、他の車両や周囲の建物の所有者なども含まれます。
つまり、歩道に誰もいなくても、道路沿いの住宅や店舗などへ水を飛ばさないよう注意する必要があるということです。
さらに、実際に被害を与えた場合は、反則金だけで終わらない可能性もあります。JAFは、水たまりを見落としたり、道路状況に合わない速度で走ったりして歩行者の衣服を汚した場合、故意ではなくても、クリーニング代などの損害賠償責任を負う可能性があると説明しています。
また、道路そのものが冠水している場合は、水はね以前にクルマが立ち往生する危険も考えられます。JAFでは、冠水した道路は水深が分かりにくいうえ、マンホールや側溝なども見えなくなることから、安易に進入せず、可能な限り迂回するよう呼びかけています。
雨の日は、水たまりなら周囲に水をかけないよう速度を落とし、道路そのものが冠水している場合は無理に進入しないことが重要です。
【動画】えっ…これがガチすぎる「水はね検証」実際の様子です