舞台「ムロ家のアカンタレ」(10月29日〜11月3日に東京・雷5656会館ときわホール、11月13日〜15日に京都・先斗町歌舞練場にて上演)に出演する室龍太(むろ・りゅうた/37)、室たつき(むろ・たつき/38)、室将也(むろ・まさや/32)がモデルプレスらのインタビューに応じた。後編では、物語の軸となる「パワフルなオカン」にまつわるエピソードや、改めて感じる「舞台ならではの面白さや魅力」について語ってもらった。
◆室三兄弟出演舞台「ムロ家のアカンタレ」
本作は、長男・たつき、次男・龍太、三男・将也による兄弟ユニット「室三兄弟」が約14年ぶりに共演を果たす、パワフルなオカンと三兄弟が織りなす笑いと涙の家族コメディ。「いつか3人で舞台を…」というかねてからの目標を実現するため、将也が企画・原案者として始動。脚本・演出をミュージカル「テニスの王子様」「東京リベンジャーズ」などを手掛ける三浦香が務める。
劇中では、神経質な性格の長男・タツキ(たつき)、クールで無口な次男・リュータ(龍太)、信念がない三男・マサヤ(将也)という、三者三様の個性豊かな三兄弟をそれぞれ演じる。
物語は、オカンの一言「結婚することになった」から始まる、ムロ家の再婚騒動を描く。突然の再婚宣言に戸惑う三兄弟は、オカンを取られる不安や素直になれないプライドが爆発し、喧嘩と家族会議を繰り返すことに。スナックの常連客や幼なじみ、さらには新しい父親候補(?)も巻き込みながら、不器用な家族愛と絆をコミカルに届ける。
◆室三兄弟の実話が盛り込まれた脚本の魅力
― 今作は実話も盛り込まれているとのことですが、脚本を読まれていかがですか?
たつき:三浦香さんに実際のエピソードをお話しして、うまく作品へ落とし込んでいただき、初稿を見た段階で「稽古をしたらもっと面白くなる」と感じました。観てくださる方に「これってどこまでがフィクションで、どこまでが本当の話なの?」と疑われるくらい、リアルな空気感をお見せしたいです。
龍太:客観的に「自分はこう見えているんだ」と気づける良い機会になりました。「素のままでいく」と言っても、絶対にどこか意識してしまうので、自分自身を演じるというのは一番難しいと思います。台本を読み込んで突き詰めていきたいです。
将也:今回、三浦香さんに脚本・演出をお願いした理由は、以前手掛けられていたミュージカルを観て「ぜひこの方に頼みたい!」と思ったからです。母親と三兄弟のお話ですし、お客様も女性が多いと思うので、女性目線で描いていただくのが一番共感してもらえると思いました。脚本を見たときに「本当に頼んで良かったな」と思いました。
たつき:そこまでしっかりと考えていたんだ!
◆室三兄弟が感じる舞台の面白さや魅力
― 皆さん幼い頃から芸能活動をスタートし、様々な経験を重ねてこられたと思います。今回あらためて舞台に挑むにあたり、数あるお仕事の中でも「舞台ならではの面白さや魅力」はどのような部分だと感じていらっしゃいますか?
たつき:これまで様々な役を演じてきましたが、自分自身を演じるというのは今回が初めての試みです。役名は「たつき」ですが当然台本はありますし、3人でのやり取りは普段通りの兄弟関係の延長で進められたとしても、他のキャストさんとのシーンでどのように自分自身を表現していくべきかという難しさを感じています。その場の空気感やお客様の雰囲気によって変化するところが舞台の醍醐味ですし、だからこそ僕は舞台が好きで続けています。コンサートの中で漫才を披露する機会は多かったですが、3人で本格的なお芝居に挑むのは本作が初めてです。正直どのようになるのかまだ想像がつきませんが、この作品をきっかけに、また新しい“舞台の楽しみ方”を見つけたいです。
龍太:映像とは異なり、その日ごとに空気感も違えば、客席の反応も毎日変わる。良くも悪くも“その場を生きられる”ことこそが舞台の醍醐味だと感じます。今回は自分自身を演じることに加え、実話のエピソードも入っているため難しさはありますが、しっかりと向き合って作り上げていきたいです。
将也:舞台の魅力は、お客様と同じ空間を共有する“生もの”である点です。毎公演全く雰囲気が違いますし、あるシーンで今日はウケても次の公演では反応が違ったり、共演者の方々のお芝居によっても空気感がガラリと変化します。
たつき:舞台は好き?
将也:好きです!映像のお仕事も魅力的ですが、自分とは異なる人間としてその時間を生きられる感覚がすごく楽しいです。
― プロデューサー業に挑戦してみて、やりがいや楽しさは感じていますか?
将也:まだそこまで実感はないのですが、次男の事務所に連絡して「室龍太さんのスケジュールを教えてください」と、初めて兄を「さん」付けで呼んだときに「プロデューサーをやっているんだな」としみじみ思いました(笑)。
たつき:くだらねぇ(笑)!当たり前のことやねん(笑)!でも、彼はゼロからプロデュースに挑戦しているので不安も多くて、相談の連絡をもらうこともありました。僕が「こうしてみたら?」と伝えたことを、その都度自分の中でアップデートしながら彼なりに動いている。今回の経験が彼にとって良い勉強になっていると思いますし、これをきっかけに今後も色々な作品をプロデュースできるようになるのではないかと思っています。
◆室三兄弟、母親との連絡事情・家族への宣言
― 物語は「オカンの離婚宣言」から始まりますが、これにちなんでお母様やご兄弟に“宣言したいこと”はありますか?
たつき:母には「孫を見せられなくてごめんなさい」と思っています。3人兄弟で誰ひとり孫を見せられていないので…。母ももう諦めたみたいで、最近犬を2匹飼い始めました(笑)。
舞台は楽しみにしてくれていると思うので、「楽しみに待っていてほしい」と伝えたいです。母は普段舞台を観に来てくれても、一切感想を言わないです。それもどうなのかなと思いつつ、母なりに楽しんでくれているのだと思います。誰よりも僕たち3人のファンでいてくれているのは母だと思っているので、心から舞台を楽しんでもらいたいです。
龍太:僕が宣言したいのは、「僕を介して連絡を取るのをやめてほしい」ということです(笑)。母が他の2人に連絡を取りたいとき、なぜかまず僕に電話がかかってくるんです。「お兄ちゃん何してるか知らん?連絡取れへんねん」と聞かれても、僕も知るわけないじゃないですか。
― 龍太さんから直接、お二人に連絡されるのですか?
龍太:そうです。電話に出るときもあれば出ないときもありますが、繋がったときは「オカンが連絡取れんって言ってるぞ」と伝えます。でも、本音を言えば「今電話繋がってるなら、そのままオカンに連絡しろよ!」と思います(笑)。何のための携帯電話なんだろうと(笑)。
たつき:あー、なるほど。僕らへの注意でもあるわけね(笑)。
将也:その延長線上の話ですが、僕も母親から「お兄ちゃん(たつき)と連絡がつかんから家を見に行ってほしい」と頼まれるんです。「生きてるかわからんから」と言われますが、「なんで僕が生存確認のためにわざわざ家まで行かなあかんねん!」と思います(笑)。
◆室三兄弟「パワフルなオカン」エピソード明かす
― あらすじにもパワフルなお母様の姿が描かれていますが、現実のお母様の「パワフルさ」を感じるエピソードはありますか?
たつき:男3人を育て上げたという時点でパワフルですよね。当時はしつけとして手を上げるのも当たり前でしたし、男の子3人を育てるのは相当大変だったと思います。僕らが大きくなるにつれて叩く手も痛くなるのか、だんだん道具を使うようになっていきました(笑)。でも、それくらいのパワフルさで育ててくれたからこそ今があると感じます。未だに現役で元気に働いていますし、「この人は一体いつまでパワフルなんだろう」と思います。
― 兄弟喧嘩をお母様が止めることもあったのですか?
たつき:ありました。兄弟同士で「ごめん」となるのではなく、お互いに「オカンごめんなさい」と母親に対して平謝りする流れになります(笑)。兄弟で「とにかくオカンだけは怒らせない方がいい」というのを身に染みて学びました。
龍太:あと、東京であろうが福岡であろうが、全国各地で公演があるたびに観に来てくれる行動力もパワフルだと感じます。
将也:あと、未だに全身オレンジのセットアップとか着ています(笑)。
たつき:確かに、服装のパワフルさは昔からすごいかも。
将也:昔、なにわ男子の藤原丈一郎が家に泊まりに来たことがあり、母の服装が派手すぎて恥ずかしくなり、丈一郎に「どう?うちの少女時代」と聞いてみたら爆笑していました(笑)。
たつき:母は僕ら3人のお下がりを未だに着ています。パジャマにするだけではなく、普通に私服としても着こなしています(笑)。
― 素敵なお話ありがとうございました!
(modelpress編集部)
◆プロフィール
室龍太(むろ・りゅうた)
1989年5月25日生まれ、京都府出身。関西ジュニアとして活動後、俳優として舞台やドラマで活躍。舞台『ある閉ざされた雪の山荘で』(2024)、『Endless SHOCK』(2024)、『ムロムカイ』(2025)、『ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-』(2025・2026)、ミュージカル『ダブル・トラブル TAKE2〜Hollywood Ending』(2026)などで確かな演技力を見せる。近年はストレートプレイでも主演を務め、幅広い役柄に挑戦している。
室たつき(むろ・たつき)
1987年12月28日生まれ、京都府出身。舞台を中心に俳優として精力的に活動中。ストレートプレイからコメディまで幅広い作品に多数出演。時代劇が好き。温かみとユーモアのある芝居で作品世界に彩りを添えている。
室将也(むろ・まさや)
1994年2月19日生まれ、京都府出身。現在は俳優として舞台を中心に活動し、ストレートプレイからコメディ作品まで幅広い役柄に挑戦。ダンスと表現力で注目を集め、話題作への出演を重ねて着実にその実力を発揮している。近年の主な出演作品に舞台『サラリーマンナイトフィーバー』(2023)、 朗読劇『銀河鉄道のなかで』(2023)、『マテリアルパレード』(2023)、『あゝ同期 の桜』(2024)、『売春捜査官』(2024)、ミュージカル『complex』(2026)などがあり、フレッシュなエネルギーと素直な感情表現で観客を魅了している。