【ワシントン、北京時事】24日の米中首脳会談では、中国産レアアース(希土類)の輸出規制強化を停止する「貿易休戦」の延長が焦点となる。期限は11月10日だが、中国側の輸出許可の遅れが解消せず、協議の足かせとなっている。日中関係の悪化で対日輸出も急減し、レアアースを外交カードに使う中国の姿勢が鮮明だ。
第2次トランプ政権発足直後、米中対立は一時100%超の関税を掛け合う貿易戦争に発展した。レアアース生産量で世界最大の中国は昨年4月、対抗措置として全世界を対象に輸出管理を強化。高市早苗首相の台湾有事を巡る発言で日中関係も冷え込み、軍民両用品の対日規制を強めた。
20日の米中閣僚級協議では、貿易休戦の延長が持ち越された。グリア米通商代表部(USTR)代表は、中国のレアアース制限が「不確実性を生み出した」と批判。欧米メディアによると、中国企業が米企業への出荷を拒む例も出ている。延長期間を巡り、米国は6カ月間、中国はトランプ政権の任期末までを主張し、折り合わなかった。
中国のレアアース輸出総量は増えた一方、重要品目や特定国向けは抑制された。2025年は全体で約6.3万トンと過去10年で最多だったが、電気自動車(EV)に必要な永久磁石の対米輸出は前年比で約2割減。今年は持ち直したものの足踏みが続き、対日輸出も7月に前年同月比で半減した。
米国は今年の20カ国・地域(G20)議長国として、重要鉱物の供給網安定を議長声明に盛り込んだが、中国だけが反対したと名指しする異例の対応に出た。トランプ米大統領は22日の高市首相との会談でも、レアアースを念頭に安定調達に向けた連携を確認した。難航する米中貿易休戦の延長協議をまとめられるか。首脳合意の実効性が試される。
〔写真説明〕中国東部江蘇省の港で船への積み込みを待つ、レアアースを含んだ土=2010年9月(AFP時事)