東関東道は本当に「あと半年で全通」できるのか? 開通お預けの23kmの現状 できたら千葉と北関東に“革命”が

雨で需要が増える業界と言えば?

この秋に8年ぶり7.9kmの延伸を果たす東関東道の「水戸線」ですが、残り23kmについては年度内の開通に黄信号が灯っています。現地はどうなっているのでしょうか。

7.9km延伸の「その先」が本丸

 東関東道の「水戸線」と呼ばれる潮来IC(茨城県潮来市)から茨城町JCTにかけての未開通部30.9kmのうち、鉾田IC~行方(なめがた)IC間7.9kmが2026年秋にも開通します。すでに地元では開通前のイベントなども行われています。

 残る行方IC~潮来IC間23kmは、2026年度内の開通とされています。東関東道が本当に真価を発揮するのは、この全線開通時ですが、残る区間はどうなっているのでしょうか。

 東関東道の茨城県内区間は、茨城町JCTから南へ向けて順次延伸されてきました。今回開通する鉾田IC~行方IC間には途中のICなどはなく、行方ICは茨城県内を東西に貫く国道354号に接続します。

 この区間は山を切り開いた切土構造が主体となっており、そこで出た土砂を他の区間の盛土に使って工事を進めています。残る行方IC~潮来IC間も切土が主ではあるものの、23kmという延長のなかで丘陵地帯から低地の潮来ICにかけてだんだん下っていく地形で、盛土や橋梁も比較的多く見られます。

まだまだ、まだまだ掘って掘って掘りまくれ状態!?

 ただし、切土工事の進捗には区間によってバラつきが見られました。

 すでに道路がある程度できている箇所もあれば、計画の高さまであと少しのところ、あるいは「まだまだ掘らないといけないぞ…」と思えるところもあります。なお、9月中旬時点で、標識や区画線の設置に至っている箇所は、見た限りありませんでした。

 23kmの途中には行方PA(仮称)、潮来行方ICができます。いずれも旧麻生町に近く、潮来行方ICは麻生ICの仮称でした。「潮来ICと行方ICの中間だから潮来行方ICになったのか……?」とも思いましたが、実際には行方市と潮来市の境界にまたがり、旧麻生町の範囲にはかかっていない場所だったので合点がいきました。

 その潮来行方ICは県道50号「水戸神栖線」へ接続するアクセス道路が建設中です。ここから潮来ICまでの間は水戸神栖線と東関東道がピタリと並走する箇所もあります。

 水戸神栖線が地形に沿ってアップダウンするのに対し、東関東道は大規模な切土で路盤を掘り下げる工事の真っ最中でした。完成すれば、一般道と高規格道路の走りやすさの違いを実感できる区間かもしれません。

何が工事の足を引っ張っている?

 やがて東関東道は水戸神栖線から離れ、低地の潮来ICにかけて盛土と橋梁の区間が増えます。高架のJR鹿島線をさらに高架でまたぐと、水郷と呼ばれる低湿地帯に突入。ここは橋梁と盛土で一気に潮来ICまでつないでおり、だだっ広い風景のなかを一段高い東関東道が弧を描いて続いています。

 ただ、この盛土部については、一部の切土部の発生土が性状不良のため、追加で土質改良を行っていることが、工事の課題となっています。切土区間の進捗にバラつきが見られるのも、良質な地盤と土の性状が悪い区間が混在していることが一因のようです。

 また、一部で不等沈下が長期化している箇所もあり、それも工事の足を引っ張る要因になっています。

 これらの課題から、2026年3月に行われた事業連絡調整会議以降、2026年度開通予定とされていた行方IC~潮来IC間には「新たな課題等が工程に及ぼす影響を確認しながら工事を進めていく」という文言が付け加えられています。

 暗に「遅れる可能性がなくはない」ことを示しているわけですが、現地を見ると確かに「あと半年で造れるのか?」と思えるところがあるのも事実です。

 ただ、この東関東道が全通した際のインパクトは大きいでしょう。千葉から常磐道沿線へ向うバイパス的な役割とともに、北関東道と一体で、圏央道の外側の環状道路の一部を構成します。茨城県と成田空港方面を短絡するのはもちろん、たとえば栃木県宇都宮から成田空港までのルートも、東北道-圏央道経由より近くなります。今後の進捗が注目されるところです。