埼玉県警の運転免許センター内の食堂では、実は関東ローカルチェーンの「山田うどん食堂」のメニューが楽しめます。今回は食事のためだけに免許センターを訪れ、埼玉のソウルフード「パンチ定食」を味わいました。
免許センターで味わう「埼玉名物グルメ」
運転免許センターといえば、免許の取得や更新など、基本的には何らかの「用事」があって行く場所です。しかし世の中には、免許の手続きとはまったく関係なく、わざわざ免許センターまで足を運びたくなる理由があるのかもしれません。
埼玉県鴻巣市にある「埼玉県警察運転免許センター」。県のほぼ中央部に位置するものの、一部の県民からは「遠くて行くのが大変」と何かとイジられがちな場所です。そんな免許センター内にあるのが、レストラン「けやき」。公共施設の食堂だからと侮ってはいけません。
というのも、同店の運営を受託しているのは所沢市に本拠を置く関東ローカルチェーン「山田うどん食堂」です。つまり、埼玉県民なら一度はその看板を目にしたことがあるであろう“埼玉のソウルフード”を、県警の免許センターで味わえるのです。そんな話を聞いた筆者は今回、免許の更新でも試験でもなく、わざわざ食事のためだけに足を運んでみました。
注文したのは「パンチ(もつ煮込み)定食」。価格は税込み900円です。「パンチ」は、山田うどんで40年以上にわたって親しまれている豚のもつ煮込みで、埼玉のご当地グルメともいえる存在。日頃からマシマシ系ラーメンで、背脂を限界まで入れる筆者にとっては、実質健康食です。定番なのは基本形の「白パンチ」と、ピリ辛に仕上げた「赤パンチ」がありますが、今回はベタに白パンチを選びました。
定食にはパンチのほか、ライス、とろろの小鉢、みそ汁が付いてきます。なお、ライスではなく、うどんまたはそばを組み合わせることも可能。山田うどんのDNAは免許センター内でも健在です。
「パンチ→とろろ→みそ汁→パンチ…」の無限ループ
さっそくパンチを食べてみると、もつは柔らかく煮込まれながら、噛めば適度な歯ごたえも残っています。ピリ辛の赤パンチと比べると、白パンチは刺激で押してくるタイプではなく、豚もつの旨味をじっくり味わえる優しい仕上がり。濃厚すぎない味付けなので、ひと口、もうひと口と自然に箸が進みます。
そこに食感の変化を加えてくれるのが、コンニャクやメンマです。特にシャキシャキとしたメンマが、柔らかなもつの合間に入ることでいいアクセントになります。派手さはありませんが、長年定番として残っているのも納得できる、白いご飯が欲しくなる味です。
そして定食として見ると、これがかなり危険です。パンチだけでもご飯が進むのに、とろろまで付いてきます。パンチを食べてご飯、とろろをかけてご飯、みそ汁を挟んで再びパンチ。完全に白飯を周回させるためのシステムが構築されています。ご飯を大盛りにしても、食べ終わるころには「もう少しあってもよかったな」と思ってしまいそうです。
とはいえ、このメニューは645kcalしかないので筆者基準では完全に「おやつ」です。しかし、見た目以上に食べ応えは十分あります。もつをしっかり噛んで味わい、とろろやみそ汁まで付いた定食を900円で食べられるのですから、免許センターの食堂として考えれば、なかなか侮れない一食です。
そもそも筆者は普段、背脂だのニンニクだのマヨネーズだのを嬉々として追加する食生活を送っています。それと比べれば、白パンチのなんと優しいことでしょう。豚もつを中心に、コンニャク、メンマ、とろろ、みそ汁までそろっています。茶色成分はそれなりにありますが、野菜やイモ類も摂取できています。ヘルシーすぎて、もし痩せてしまったらどうするのでしょうか。せっかくお腹を育てたのに……。
さらに重要なのが、パンチには適度な歯ごたえがあることです。よく噛んで食べれば、自然と唾液の分泌も促されます。つまりもはや実質カロリーゼロどころか、ダイエット食であるとすら言えるのです。