ロシア下院選の投票始まる=ウクライナ侵攻後初、20日まで―与党圧勝で「信任」演出狙う

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 ロシア下院選(定数450、任期5年)の投票が18日始まった。2022年のウクライナ侵攻後初の下院選で、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州とクリミア半島でも投票を強行。プーチン政権は反戦野党を事前に排除しており、与党圧勝で侵攻に対する国民の「信任」を演出したい考えとみられる。投票期間は3日間で、20日の締め切り後に即日開票される。
 下院選は比例代表と小選挙区でそれぞれ225議席を争う。11日公表の世論調査では政権与党「統一ロシア」の支持率は約37%と、第2党のロシア共産党(約13%)を大きく引き離す。統一ロシアは改選前310議席で、定数の3分の2に当たる300議席以上を維持する可能性が高い。
 侵攻長期化の影響で物価高や財政赤字の拡大が続くが、唯一反戦を唱えていたリベラル野党「ヤブロコ」は比例代表名簿から排除された。徹底した政治弾圧で政権に従順な「体制内野党」のみが選挙参加を認められ、反政権派の「受け皿」は事実上残っていない。
 プーチン大統領は投票に先立ち公開したビデオ演説で、選挙結果が「ロシアを弱体化させ、われわれから主権と自決権を奪おうとする人々への共通の答え」になると主張。ウクライナとその支援国を脅威に見立て、国民の団結を呼び掛けた形だ。
 ウクライナ東・南部4州で選挙を行うことで、実効支配の既成事実化を進める狙いもありそうだ。ウクライナは戒厳令を理由に大統領選や議会選を延期しており、ロシア側はウクライナの民主主義の機能不全を印象付けたい思惑があるとみられる。
 有権者の間では選挙の公正さへの疑念が根強い。モスクワで働く清掃員の女性(57)は「誰が当選するかは既に決まっている」と述べ、投票に行かないと話した。与党が勝利すると断じた上で「市民は戦争なんて望んでいない。事実を話すことをみんなが恐れている」と語り、弾圧の厳しさをうかがわせた。 
〔写真説明〕ロシアの政権与党「統一ロシア」の下院選候補者(右)と面会するプーチン大統領(左)=5日、モスクワ(AFP時事)
〔写真説明〕18日、モスクワの投票所で下院選の票を投じる男性(左)(AFP時事)