高速道路の“続き”がみるみる山道になったんですが… まるで「新幹線直通のローカル線」 並行する「新線」はつながらない!? 摩訶不思議な道路網

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NEXCOの高速道路の九州最南端「鹿児島IC」。その先も南へ有料道路が続いています。ただし様相は一変。しかも「別の立派な道」が並行しているという、不思議な道路網を体験しました。

高速道路がみるみる様相一変!「 聞いてないぞこんな山道」

 東京から高速道路を約1340km。NEXCOが管理する九州最南端のインターチェンジが、九州道の鹿児島ICです。

 ところが、ここで高速道路は終わっても、道路はまだ南へ続いています。その名も「指宿スカイライン」。薩摩半島の“小京都”と呼ばれる知覧を目指していたので、鹿児島ICからこちらへ向かいました。

 というのも、鹿児島ICの手前にある桜島SAに立ち寄ったとき、鹿児島県内の道路を描いた模式図がありました。そこには、九州道とほぼ同じ太さで指宿スカイラインが描かれ、知覧ICを通って、その先の頴娃(えい)ICまで一本につながっていました。

「なるほど、九州道の続きみたいなものか」

 そう思って鹿児島ICを通過すると、まさにその通りの4車線の高速道路が続いていました。山田料金所はETCで通過し、さらに指宿スカイライン方面の分岐を進みます。すると……

 様子がおかしい。

 道がみるみる細くなり、「指宿スカイライン 谷山」と書かれた片側1レーンだけの料金所が現れます。ここはETCも使えません。通過後はカーブも増え、いつの間にか山の中……対面通行の山道の様相です。

 さっきまでの4車線の高速道路は何だったんだ?

 シカやタヌキが飛び出してこないか警戒しながら、カーブの続く山道を進んでいくと、やがて「知覧IC」に到着しました。

 有名な武家屋敷群を見学し、知覧特攻平和会館にも立ち寄ります。どちらも非常に見応えがあります。

 さて、帰ろう。

 特攻平和会館付近のコンビニで道を調べていると、近くにインターチェンジがあります。「知覧金山水車IC」という、ちょっと変わった名前です。せっかくなので、ここから鹿児島方面へ向かいました。

 すると――「めっちゃ真っすぐな快走路じゃん!」

 さっきまでの山道とは、まるで別世界な自動車専用道路がスーッと伸びていたのです。

もう一つの道「南薩縦貫道」

 今回通った道は、「南薩縦貫道」。指宿スカイラインとは別の、無料の高規格道路です。ところが、この立派な道路もずっと続くわけではありません。

「南九州川辺ダムIC」まで来ると、自動車専用道路が終了します。その先は県道19号、県道20号と、一般道路で山の中を走ります。

 さらに鹿児島方面へ北上していると、今度は見覚えのある道路に出ました。なんと、往路で走った指宿スカイラインです。先ほどの山田料金所をETCで通過し、鹿児島ICまで戻ってきました。

 なんとも不思議な道路網です。

 指宿スカイラインを例えるなら、「新幹線直通のローカル線」でしょうか。桜島SAの模式図では九州道と同じように見えるのに、実際に乗ってみれば山道。しかも有料です。

 一方の南薩縦貫道は、まるでその横に後からできた「つながっていない新線」でしょう。知覧周辺には非常に立派な自動車専用道路があるのに、九州道には直接つながらず、その間には一般道路、そして指宿スカイラインの一部区間が挟まっています。

 なぜこんなことになっているのかといえば、理由はシンプル。道路のできた年代と、そもそもの位置づけが違うからです。

 指宿スカイラインは1960~80年代に整備された道路で、鹿児島市と薩摩半島南東部の指宿方面を結ぶ有料道路として先に存在していました。そして鹿児島市側の鹿児島IC~谷山IC間は、4車線化、最高速度引き上げ、山田料金所のETC対応と、“高速並み”に改良されてきました。

 一方、南薩縦貫道は、指宿スカイラインよりずっと後に整備が始まった地域高規格道路です。2000年代以降、川辺、知覧と薩摩半島をナナメに横断し、半島南西の枕崎を目指す新しいルートとして順次つくられてきました。

 古くからある指宿スカイラインに、後から南薩縦貫道という「新線」を組み合わせ、既存の県道なども活用して半島南西部と鹿児島市を結ぶネットワークをつくってきたわけです。しかも現在の道路網は「未完成」ではなく、一般道路や既存道路を組み合わせた形が一応の完成形となっています。

 一見すると、ちょっと中途半端にも見えます。しかし鹿児島県を広く見渡せば、南九州道、東九州道、北薩横断道路、大隅縦貫道など、高規格道路やバイパスを県内各地に張り巡らそうとネットワークを整備しています。南薩縦貫道も、枕崎・知覧方面から鹿児島市へ向かう際の面倒なところをズバッとつないでくれる存在でしょう。

「ローカル線」と「つながっていない新線」。走ってみると不思議な組み合わせですが、それぞれの役割を担っているようです。