経営再建計画「Re:Nissan」のもと、業績の立て直しに取り組んでいる日産。こうした改革は、日産の社内の空気も変えつつあるようです。
「バラバラだったチームがひとつに」
2024年度に通期で6700億円を超える巨額の赤字を計上し、業績の立て直しに取り組んでいる日産。昨年2025年からは経営再建計画「Re:Nissan」のもと、日本にも新型車を相次いで投入しています。また、こうした改革は日産の社内の空気も変えつつあるようです。
経営再建計画「Re:Nissan」は、「コスト構造の改善」「市場戦略と商品戦略の再定義」「パートナーシップの強化」の3つを軸として、2026年度までに自動車事業の営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化を目指すものです。
また、日本市場においては販売モデルの少なさや陳腐化も課題となっていましたが、昨年から今年夏にかけては、「ルークス」「リーフ」「キックス」「エルグランド」といった基幹車種を矢継ぎ早に刷新。また日産ブランドの象徴ともいえるスポーツカー「フェアレディZ」をマイナーチェンジしたほか、2027年度以降には新型「エクストレイル」「スカイライン」などの投入も予告しています。
ユーザー目線で見てもラインナップが一気に入れ替わった日産ですが、同社で新型「エルグランド」のブレーキシステムを手掛けた開発スタッフは、「社内の雰囲気もここ2年ほどでだいぶ変わり、風通しがよくなった」といいます。
開発スタッフによると、それまでの日産の社内には「自分の専門分野以外の課題を『これは僕の担当じゃないし……』とそれぞれが拒絶し、意思疎通が十分にできないような空気感があった」とのこと。「ブレーキとパワートレインなど、お互いに連携し合うようなシステムもバラバラに開発が進められていたため、できあがったクルマの乗り味も、バラバラになっていたように思います」と話しました。
「しかし、ここ数年は『もっと自分たちが思い描いたモノを作ろう』という気持ちがチームのあいだで高まっています。『自分の担当外だから』という意識は捨てつつ、短い時間でみんな集中して取り組もう、という姿勢へ変わってきました。これにより、1台のクルマとして一貫した方向性や仕上がりを目指そう、という商品価値の再検討も凄い勢いで進んでいます。お互いに議論しやすい雰囲気になりましたね」(同)
最後に、そうした社内の変化はユーザーにも実感できるレベルに達しているのか聞くと、開発スタッフからは「実際にお客さまから声をいただくのは、これからだと考えています」という答えが返ってきました。
開発スタッフは、「近年は『日本の市場を重視していない』という意見も多数いただいており、我々スタッフも『自分たちが欲しいクルマを投入したい』と、何とかしたい思いでやってきました。開発チームの姿勢が変化した成果は、直近で投入したモデルにも確実に表れていると思います。もちろん、次の『スカイライン』などには期待してほしいです」と強調しました。