広島FWアレーがホーム初得点! 息子へ一日早い誕生日プレゼント「朝起きてお父さんが決めたことを知ったら喜ぶと思う」

好業績迎える日本の尖った業界

 クルリと回ってニア上にズドン。FWセバスティアン・アレーが貫禄のプレーで移籍後ホーム初ゴールを決め、水曜夜のエディオンピースウイング広島を沸かせた。

 サンフレッチェ広島は9月2日、2026/27明治安田J1リーグ第5節で名古屋グランパスをホームに迎えて3-0で快勝した。この夏に広島に加入したアレーは4試合ぶりのベンチスタートで後半開始から途中出場。「特別なことはなく、自分のゲームをすること」を意識してピッチに入った。

 見せ場は2点リードで迎えた後半アディショナルタイム1分に訪れた。アレーはFW鮎川峻からのパスをペナルティエリア左で受けると、鮮やかなターンで前を向いて素早く左足を一閃。豪快なシュートをニアのゴール左上隅に突き刺して、勝利を決める追加点を挙げた。

 元コートジボワール代表のストライカーは、「最初はトラップしてシュートを打つことを考えていたけど、ボールが少し後ろに来たので、1番ゴールを決められる選択を考えてシュートしました」と豪快な一撃を振り返り、試合翌日が息子の誕生日だったため、「本当は試合を見てほしかったけど、遅い時間だったので今日は家にいました。明日の朝に彼が起きてお父さんが決めたことを知ったら喜ぶと思います。(ゴールを)気に入ってくれたらうれしいね」と笑顔で話した。

 リーグ戦3試合ぶりの得点で今季2点目。ホームでは移籍後初ゴールとなり、「やっとシーズンが始まったという感じです」とうれしそうに話した。ただ、アレーの言う「自分のゲーム」は何も得点だけではない。この試合でも後半から出場すると、ボールを収めて攻撃の起点としてチームを活性化し、前線でボールを懸命に追って守備にも貢献。高い得点力を持ちながらも、周囲の仲間を活かす献身性やチームプレーが光る。

「タイトルを目指しているので、自分はチームのために、チームは自分のためにと思いながらお互いがいい関係を持つことが大事だと思います。ピッチには11人いるので、ゴールを決めるためにはやっぱりお互いがお互いのために頑張らないといけない」(アレー)

 その言葉通り、チームワークの中心に背番号22がいた。80分、MF中島洋太朗がピッチ中央から持ち上がり、DFに触れられないギリギリを狙った絶妙なパスを供給。「安牌を選ばずにチャレンジすること、そしてそれを成功させることが自分の特徴を出すためにも大事なこと」と言う果敢なプレーでチャンスを作った。

 それを華麗にターンしながら受けたアレーが流れるようにフリーのFW鈴木章斗へとラストパス。中島の絶妙なパスのおかげで自らシュートを打ってもおかしくない場面だったが、「2対1の状況でDFが僕の近くにいたので、1番の選択はパスを出すことだった」と潔くアシストを選んで、鈴木の追加点を演出した。

 後半アディショナルタイム1分の得点シーンも仲間との連携が実を結んだ。アレーがスローインを胸で収めてピッチ中央の鮎川につなぐ。「(相手が)マンツーマンで来ていたので、1枚剥がせればかなり大きなチャンスになることはずっと考えていました」という鮎川が1人かわしてボールを前に運んだ。

 このとき、MF越道草太が左サイドから中央へ斜めに走り込んでDFを引きつけると、鮎川は空いたスペースに走り込んだアレーへと冷静にパスを出して得点をお膳立て。「コッシー(越道)もいい動きをしてくれましたし、セブ(アレー)のシュートがスーパーだったので、セブを褒めるしかないですね」と笑顔で味方を称えた。

 ホームで1ゴール1アシストの活躍を見せたアレーは、「素晴らしい気分だけど、引き分けが2試合続いていたし、こうやって勝つとチームが勢い付くのでこれをキープしないといけない」と喜びつつも気を引き締め、「自分の本来のレベルに上げるために時間がかかるのはもどかしいけど、もっと自分の体を作っていいレベルに戻せるようにしたい」とさらなる向上を誓う。

 エゴは出し過ぎないが、決める時は決める。そんなアレーの貫禄が見えた45分間だった。ただ、この躍動もまだ始まりに過ぎない。32歳のストライカーは、「もっと今日のようなゲームができたらいいと思います。もちろん、味方の助けも必要だし、自分も味方を助けるので、お互いがいい関係でありたいです」とチームワークの中心で情熱を燃やしている。

取材・文=湊昂大

【ハイライト動画】アレー活躍!サンフレッチェ広島×名古屋グランパス