38人が犠牲となった熊本地震から1カ月となった28日、被災地では亡くなった人らの冥福を祈る姿が見られた。復旧や復興への道筋は見えず、先行きへの不安の声も聞かれた。
爆発事故で7人が亡くなったイオンモール熊本(熊本県嘉島町)。献花台を訪れた同県菊陽町の50代の無職女性は、犠牲になった従業員らと親交があったという。女性は「花が好き」と語っていた従業員をしのび、花束を供えた。
亡くなった大竹玖瑠美さん(22)の学童保育をかつて担当していた熊本市の教員藤本航さん(38)は、1カ月を「区切り」として初めて献花台を訪れた。お菓子やジュースを供え、「玖瑠美さんみたいな良い子が社会でたくさん活躍できるように頑張るからね」と手を合わせた。
煙突の倒壊に巻き込まれ、9人が犠牲となった日本製紙八代工場(八代市)では、先端が折れた煙突の解体作業が続く。工場周辺には「危険」と張り紙がされた家屋も多数残る。従業員らは地震発生時刻の午後4時27分に黙とうをささげた。
近所の自営業女性(61)は「煙突は八代のシンボル的な存在。倒れるとは思わず、悲しかった」と振り返った。稼働再開のめども立たず、「働いていた人も多い。この先どうなるか」と不安を吐露した。
震度7を観測した宇城市。小川防災拠点センターではいまも約120人が身を寄せ、在宅避難者らも食糧支援などの列に並ぶ。自宅が全壊し同センターで生活する女性(79)は「やっとここの生活にも慣れた。帰ろうとしても家がないからここに頼るしかない」と疲れた様子で語った。
余震を恐れ、日中を同センターで過ごしている近所の橋本愛子さん(85)は、「家に一人でいるより安心できる」と話していた。