森保監督、チーム作りを経営者らに指南「本来あるべき姿は…」 58歳の抱負は「一戦一戦勝利を」

オフィス需要活発化でREIT注目

 日本代表の森保一監督が、株式会社フリークアウト・ホールディングスと株式会社UDN SPORTSが開催する「『NEXT STAGE 2026』~企業の未来を創る、スポーツの未来を創る~」に出席。パネルディスカッションで経営者やクリエイター、アスリートと意見交換をした。

 森保監督は7月下旬にUDN SPORTSとエージェント&マネジメントを締結。同社は香川真司や冨安健洋、佐野海舟、長谷川唯といったサッカー選手やサニブラウン・アブデル・ハキーム、橋岡優輝(ともに陸上)、桃田賢斗(バトミントン)といったアスリートのマネジメントを手掛けている企業。今年5月にフリークアウト・ホールディングスが一部株式を取得し、子会社化している。フリークアウト・ホールディングスにはUUUM株式会社などもグループとして名を連ねている。

 パネルディスカッションでは経営者サイドからチームビルディングについての質問が。会社運営において、未経験のような人たちのチームで業績が急伸することがある一方、規模が大きくなって良いタレントを揃えると鈍化するケースがあり、良いプレーヤーがそろっていても必ずしも強いチームになるわけではないという実体験から、チーム作りについての森保監督の考えを尋ねることに。森保監督は「我々で言えば個の力を最大限に大きくしてくれとは言っていて」とこれまで繰り返してきている個の力に言及。「組織の枠組みの中で縮こまらないでほしい。サッカーで言えば11人、大きい個が集まれば大きなパワーになり、小さい11人であれば小さなパワーになると考えると、できる人たちが集まることが本来あるべき姿だと思います」と続け、「プレミアリーグは最高峰のリーグと言われていますが、そこでプレーした選手ですら、例えばレアル・マドリードやバルセロナから声がかかると行くことがある。世界中の『俺が一番』という人たちが集まっていて、でもつねに優勝争いをするので、そうあるべきだと思います」とヨーロッパサッカーを具体例として挙げる。

 そして「これが日本の中では難しくて」と国内に目を向け、「Jリーグの中でもビッグクラブを作ろうと言う方や、私自身もそうあるべきだと思っていたんですけど」と前置きすると、「いわゆる日本で成功した選手が、ある(国内の別)チームに行くと、実はそんなに結果が出ないことが起こっています。これはサッカーだけではないかもしれませんが、それがどういう現象なのか私も聞きたいくらいで。ドイツにはバイエルンというチームがありますが、その国の一番良い選手が集まってきて、何年かに1度は逃すこともありますが、必ず優勝する。日本人のメンタリティーと何か違うところがあり、世界と何かのギャップがあるんだろうと考えています」と、自身が感じている“違い”を明かした。

 また、個の力の強さに触れた一方で、「(個の力の)大きい人たちが集まっても、役割をより明確にして、その人たちが機能できるように会社やチームのフィロソフィーやコンセプトをはっきりして、役割をはっきりすれば、力を発揮できることがあったりするとは思います。ぶつかっているところがあるとすれば、マネジメント側が読み取って、お互いの力を100%発揮できる環境作りをする」と、集団にまとめる側の力の重要性も強調。「昔、あるオランダのコーチの話ですが、GKを3人選ぶとき、1番手は決まっていて、2番手は呼ばずに3番手が出てくるとか、序列を必ずつけないといけない中で、2番手は我慢できない、納得できないから違う選び方をするということまで聞いたこともあります」と、聞いた話としてグループのマネジメント方法についても経営者たちに伝えている。

 さらに、「価値観の違う一流の人たちが集まった時に当たり前の基準をどう作るのか」を問われた森保監督は、ワールドカップを例に挙げ、「26人を招集しましたが、所属クラブが重なっていたりもしますが、わかりやすく言うと26チームから選手を招集しています。そして日本代表に来て、日本代表の戦術をやる。まさにそれぞれの価値観で生きている、26パターンの戦術をやってきていた個々の選手たちが、違う戦術、日本代表の戦術をやらないといけません。みんなが大きい、違う形の1ピースで、それをパズルのように一つの絵にしなければいけません。皆さんも会社でやられていると思いますが、フィロソフィー、コンセプト、その人に持ってもらう責任や役割をはっきりすることで、つなぎ合わせるということかなと思います。そして、私自身も今自分が考えていることがすべて正解ではないと。フィロソフィーやコンセプトは、選手たちに26パターンの戦術的なことを聞けるので、それを取り入れながら、いわば世界の価値観を日本代表に1度インプットする。日本の価値観と世界の価値観をミックスして考え、自分たちで最適と思われることをアウトプットとして、チームとして具現化するということを考えているので、極端に言うと、(意見や考えを)聞きながらも決めたことをやってもらうことを示せるかどうかだと思っています。選手たちはどれだけ納得してくれているかはわからないですけど、決まったことは100%、日本のためにやります。チームのため、仲間のためにやりますということを言ってくれています」と代表活動の難しさと合わせ、グループで戦う上での重要なポイントを挙げている。

 イベント終了後には、登壇していた元バレーボール日本代表の荒木絵里香氏とサニブラウン・アブデル・ハキームから、23日に58歳となったばかりの森保監督へ誕生日ケーキのサプライズが。森保監督は「ここからの目標としては、アジアカップまで監督ということで契約延長をしていただいているので、アジアカップを優勝することを目標に日々、そして毎回の活動を充実させたものにしたいと思っています。任期は一応ありますが、目の前の試合でうまくいかなければ先はないと思ってこれまでもきましたし、一戦一戦勝利を目指して頑張っていきたいと思っています」と意気込みを伝えている。