スウェーデン空軍が長距離空対地巡航ミサイルの発射映像を公開しました。冷戦以来、防衛重視だったスウェーデンの国防方針は転換点を迎えたと言えます。
ロシアの脅威がスウェーデンを変えた
スウェーデン空軍は2026年8月21日、JAS39「グリペン」戦闘機から初となるタウルスKEPD350巡航ミサイルの実射試験を行ったことを発表しました。
タウルスKEPD350は、スウェーデンのSAAB社とドイツのMBDA社の合弁企業により2000年代に開発されました。射程は500km以上、強化された地下バンカーも攻撃できる貫通弾頭を備えた強力なステルス巡航ミサイルです。
ドイツや韓国、スペインで採用されていますが、スウェーデンは重武装中立の国防方針のもと、敵地深くを攻撃できるKEPD350をこれまで導入していませんでした。
しかし、ロシアの脅威増大やNATO加盟という安全保障環境の変化を受け、スウェーデンは方針を転換しました。2025年初めにKEPD350の調達と、グリペンでの運用が明らかになりました。
また、当初は2028年の運用開始を予定していましたが、2025年12月には空軍司令官から計画の前倒しの意向が示されていました。
今回の実射試験は、こうした背景のなかで実施されました。これまで防御能力に資源を集中してきたスウェーデン軍にとって、縦深打撃・攻勢能力の獲得は歴史的な転換と言えるでしょう。
【動画】「グリペン」戦闘機、タウルスKEPD350を発射