豪サンゴ礁、白化予断許さず=一部回復でも熱波のリスク

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 【ケアンズ(オーストラリア)時事】オーストラリア北東部沿岸に広がる世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフでサンゴの白化が予断を許さない状況にある。今年初めの南半球の夏季には水温がさほど上がらず、一部海域で回復が確認されたが、この先は熱波が予想され、白化が加速する恐れがある。現地では多くの枝状サンゴが白化したままだ。
 グレートバリアリーフは南北約2300キロに及び、400種以上のサンゴが生息。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産に登録されている。2016~24年に計5回、大規模な白化が起きた。
 豪海洋科学研究所が8月に公表した年次報告書によると、健全なサンゴで覆われている割合は26年夏季に26~35%。前年と比べ、南部で0.5ポイント悪化した一方、最も赤道に近い北部で5ポイント、中部で3ポイントずつ改善した。季節風の影響で雨が多く、水温上昇が抑えられたことが回復の理由と分析している。
 8月上旬にケアンズ東方沖のムーア礁で、シュノーケリングや半潜水艇で海中を観測したところ、テーブル状や球状のサンゴは比較的健全で、多くの魚が集まっていた。しかし、スギノキミドリイシに代表される枝状サンゴの多くが白化し、周囲に魚は少なかった。白化はサンゴに共生していた藻類がいなくなることで起き、栄養の摂取を難しくする。
 来夏には水温上昇をもたらすエルニーニョ現象が予想される。シドニー大学のマリア・バーン教授(海洋生物学)は「枝状サンゴはとても熱に敏感で、白化の進行も速い」と話している。 
〔写真説明〕オーストラリアのグレートバリアリーフで白化した枝状サンゴ=3日、ケアンズ東方沖のムーア礁
〔写真説明〕オーストラリアのグレートバリアリーフで見られた健全なサンゴと魚の群れ=3日、ケアンズ東方沖のムーア礁