防衛省は8月末に締め切られる2027年度予算の概算要求で、過去最大の約8兆9000億円を求める方針を固めた。人工知能(AI)などを活用した「新しい戦い方」への備えが柱。年内に安全保障関連3文書の改定を控えるため、金額を示さない「事項要求」が多く、年末の予算案編成の段階で防衛費はさらに膨らむ公算が大きい。
政府は23年度から5年間の防衛費の総額を約43兆円と決めており、27年度が最終年度。高市政権は25年度に防衛関連費を含めて11兆円規模を計上し、国内総生産(GDP)比2%に引き上げる目標を2年前倒しで達成している。ただ、トランプ米政権はGDP比3.5%を求めており、3文書の改定では防衛費の新たな目標が焦点となる。
政府・与党関係者によると、防衛省は概算要求で、「新しい戦い方」への対応に加え、長期戦を見据えた「持続的な対応能力」、防衛生産基盤強化などの「防衛力の基盤」を3本柱に据える。
反撃能力(敵基地攻撃能力)の強化に向け、水中発射型の長射程ミサイルの開発を明記。長距離飛行が可能な攻撃型無人機の開発も盛り込む。退職する自衛隊員とその家族を支援する「退職自衛隊員・家族支援庁」の新設、国際政策を所管する「国際政策局」など3局の増設も明記する。
26年度の防衛費の概算要求額は8兆8454億円だった。
〔写真説明〕防衛省=10日、東京都新宿区