新東名の工事現場では、“規格外”の大きさのダンプが活躍しているところがあります。どのように使われているのでしょうか。
「大量の盛土で造成するIC」建設を支える大型ダンプ
NEXCO中日本は2026年8月3日、建設が進む新東名高速の新秦野~新御殿場間の親子向け現場見学ツアーを開催しました。本ツアーでは大型建機の「アーティキュレートダンプ」なども展示され、参加者から注目を集めました。
アーティキュレートダンプは大規模な土木工事の現場などで使われる大型のオフロード用ダンプトラックで、車体の中央部に関節のような結合部を持つのが特徴です。
一般的なトラックとは違い、旋回時は前輪ではなく車体自体が折れ曲がって走行します。狭い現場でも小回りが利くほか、凹凸や傾斜の大きい路面でも車体がねじれてタイヤを接地させるため、駆動力を効率的に伝えられるのが利点です。
このアーティキュレートダンプが導入されているのは、新秦野ICと新御殿場ICのあいだに新設される「山北スマートIC(仮称)」の建設現場です。NEXCO中日本の担当者によると、ここは東京方面の出入りのみが可能なハーフICとして計画されており、造成には約320万立方メートル(東京ドーム約2.6杯分)の土が使用される予定だといいます。
山北スマートICの現場では当初、日本のコマツ製アーティキュレートダンプが3台体制で運用されていましたが、現在はスウェーデンのボルボ建設機械が製造した「A40G」という車両が2台導入されています。車両のサイズは全長約11.3m、全幅約3.4m、全高約3.5mと巨大。最大積載量は質量で39t、容積では24立方メートルとなっています。
当然、公道を走行することはできないため、「運搬する際は分解してトレーラーなどに積み、現地に着いてから組み立てている」(NEXCO中日本の担当者)そうです。
ツアーではこのボルボ製車両のほか、計3台の大型建機を展示。運転席に乗り込む体験も行われ、子どもたちは車両の圧倒的な大きさに驚き、興奮した様子でした。また、もう1台のダンプはツアー当日も通常通りに稼働し、一度に大量の土砂を運搬していました。
なお、NEXCO中日本のスタッフによると「工事では現在、約280万立方メートル分の盛り土作業が完了しています」とのこと。また、「もし予定している約320万立方メートルの土砂運搬を、現在使っているボルボ製の車両で行った場合は、土のほぐし率なども考慮すると約16万回の往復が必要になるでしょう」ともコメントしています。