下水道展で注目されるドローン。熊本地震でも活躍したという最新鋭機はGPSがなくても飛べるのが特徴です。その実力と今後の可能性を取材しました。
災害現場でこそ光る「特殊なドローン」の実力
2026年8月4日から7日まで、東京都江東区の東京ビッグサイトで「下水道展’26 東京」が開催されました。下水道整備に関する様々なソリューションが紹介されるなか、ひときわ注目を集めているカテゴリーがありました。それが「ドローン」です。なぜ今、下水道の展示会でドローンが着目されているのでしょうか。
ドローンに関連する多くのブースで取り扱われ、クローズアップされていたのが、スイスのFlyability社が手掛ける「ELIOS 3」と、Liberaware社が手掛ける「IBIS2」の2機種です。特にELIOS 3は、球状のカバーに覆われた特徴的な見た目をしています。
ELIOS 3を覆う球状のカバーはカーボンで出来ており、飛行中の接触によるダメージから機体を守るとともに、機体そのものを持ち上げて運びやすくするメリットを備えています。ドローンとしてはややサイズのある同機が、狭いところでオペレーションをこなす為の必需品です。
ELIOS 3の国内販売代理店であるBlue Innovationのブースでは、同機のデモ飛行が行われていました。その飛行安定性は抜群で、「コントローラーを離していてもその場でホバリングできる」「GPSのない屋内空間でも飛び続けられる」という点を大々的にアピールしていました。
こうしたドローンの能力は、特に災害現場のような障害物の多い環境で真価を発揮するといいます。様々な撮影・点検用ドローンを用いて事業を行う九電ドローンサービスの展示担当者は次のように話します。
「IBIS 2のような狭所でも飛行できるドローンは、崩落した建物などの内部を素早く探ることに長けています。一方でELIOS 3はGPSが届きにくい箇所でも安定した飛行ができ、周囲の構造物を自力でスキャン出来ます。状況に応じたドローンの投入を行うことが、現場では求められています」
ドローンを用いた点検や捜索は、その種類によって操縦に専門的な技能が求められることもあります。そのため、九電ドローンサービスでは技能を習得できる教育課程を用意し、ドローン操縦のスキル向上に取り組んでいるとのことです。
担当者は、今後の点検業務におけるドローンの重要性についても語ってくれました。
「弊社は水道管の中を自走できる車両型ドローンも持っており、現在熊本の被災地において水力発電所の点検に当たっています。設備の破損が想定される状況など、危険な環境においてドローンを用いた探査や点検を行うのは、今後ますます進んでいくのではないでしょうか」