「サンフレッチェでプレーしたいです」 川村拓夢の“逆オファー”で実現した広島復帰「このクラブでキャリアを全うしたい」

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 2年ぶりの地元復帰にMF川村拓夢は「とても幸せな気持ちでいっぱいです」とうれしそうに話した。ザルツブルク(オーストリア1部リーグ)から完全移籍でサンフレッチェ広島に加入した川村は8月5日、本拠地のエディオンピースウイング広島で入団会見に臨んだ。

 川村は2024年夏に広島からザルツブルクへ完全移籍。チャンピオンズリーグでレアル・マドリードなどとの対戦も経験したが、度重なるケガに苦しんで、2シーズンで公式戦8試合の出場にとどまっていた。まだザルツブルクとの契約が残っていた26歳は、「2年間ケガをしていたので、最初はもう1年ザルツブルクでプレーしたいなと考えていました」と明かす。だが、この夏、「見たら帰りたくなっちゃうので、見ないようにしていました」という広島の試合を見たことで、古巣への思いが一気に込み上げてきた。

「サンフレッチェがキャンプでオーストリアに来ていたとき、僕たちの当時のライバルチーム(SKシュトゥルム・グラーツ)との試合を見たら、いろいろな感情が芽生えたのが最初のきっかけでした」

「まずはやっぱりサンフレッチェ広島のユニフォームを着てプレーする選手がかっこいいなと思いましたし、僕にとってこのクラブは特別なので、今までこの2年間サンフレッチェの試合は見ないようにしていたけど、今回見て気持ちがすごく高まりました」

 その気持ちは簡単に収まるものではなかった。広島出身のボランチは、「2週間経ってもその気持ちが下がることなく、ずっと高いままだったので、そのタイミングで僕のエージェントの方に『サンフレッチェでプレーしたいです』という気持ちを伝えました」と話した。

 この2年間で、他にも興味を示してきたクラブもあったが、地元広島以外の選択肢はなかった。「サンフレッチェに帰りたいですし、他のクラブでプレーする気持ちはないですと(エージェントに)伝えて、その中でサンフレッチェさんからオファーをいただいたので、すごくうれしかったです」と古巣復帰の喜びを語った。

 背番号は8番に決まった。ザルツブルク移籍前にもつけていた広島伝統の番号だ。川村は、「8番は森崎和幸さんが長年つけていた番号ですし、2年前に海外移籍で1度手放してしまったけど、改めて僕はこのクラブでキャリアを全うしたいですし、その覚悟を含めて改めて僕からつけさせてくださいとお願いしました」と強い決意を明かした。

 会見に同席した栗原圭介強化部長は、川村の復帰希望を聞いて「もう『すぐに動きます』と思いました」と明かし、「(8番は)空けていました」と笑顔を見せた。「もう広島でキャリアを終える気持ちで戻ってきてくれることが十分に伝わったので、8番をつけてチームの中心としてやってもらいたいなという思いでした」と期待を口にした。

 広島は今年からバルトシュ・ガウル監督がチームを指揮。7月26日〜8月2日の宮崎キャンプから合流した川村は、「ガウル監督は攻守にわたって強度の高いサッカーを展開していて、そこは僕の良さでもあるので、僕のありのままのプレーができれば、ガウル監督の求めているスタイルができると思います」と自信をうかがわせ、ボランチの激しいポジション争に向けても、「クオリティの高い選手がいますけど、競争に負けるつもりはないので、僕の良さを出していきたいです」と意気込んだ。

 再び憧れの紫のユニフォームに袖を通してリスタートを切る。川村は、「僕は小さい頃から毎週末スタジアムに通って、サンフレチェを見て育ったので、やっぱりこのクラブでプレーできること以上の幸せはないです。改めてこのクラブでプレーできることを感謝したいです」と広島愛を口にし、新シーズンに向けて「クラブとしてもう1つ次のステップに進むためにはタイトルが必要だと思います。僕自身、この2年間、本当に悔しい思いをしたので、またクラブと一緒に価値を高めていきたいです」と力強く語った。

取材・文=湊昂大

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