“攻撃的”な大宮を支えるビルドアップ、トム・グローバー&西尾隆矢が語るポイントは「選択」と「自信」

スマートレジ普及に2つの追い風

 9年の時を経て開催された“さいたまダービー”。プレシーズンマッチではあるものの、さいたま市を本拠地とする両チームのサポーターは試合前から大いにヒートアップ。試合はRB大宮アルディージャが2度のリードを奪うも、浦和レッズは終盤にPKの流れから追いつき、2ー2のドローに終わった。

 リーグは異なるために公式戦での対戦はなかなか叶わないが、この9年間ダービーを待ち侘びた両チームのサポーターは多かったはず。試合前に見せた煽りあいもどこか懐かしいものがあった。

 J1に戻り、リーグ戦でのダービー復活を目指す大宮は、ナルシス・ペラッチ・ナダル監督が今季から指揮を執る中で、攻撃的なサッカーを目指すことを明言。この試合でも、両サイドバックに木寺優直と加藤聖を配置し、インサイドハーフに豊川雄太と山本桜大とストライカーとして活躍する2人を配置するなど攻撃的な布陣で臨み、「我々は攻撃的に、もちろんリスクを取って、ゲームの主導権を握って試合に挑みたい」と試合後に語っていた。

 『レッドブル』のスタイルを大宮も目指す中で、ハードなプレッシングと共に攻撃性は求められるもの。その中でもカギを握るのは、後方からのビルドアップの精度だ。この試合では、ゴールキックからのビルドアップを何度も試みていたが、浦和の対策の前になかなか上手く前進できない場面が見られた。GKトム・グローバーは、「本当は自分たちのやり方でプレーしたかった」と、浦和のプレスの前に難しい場面があたっとし、「試合の中でコントロールしなくてはいけなくて、色々な意思決定をしていた」とコメント。「時間に応じて賢く、ロングボールを蹴るなどの選択もしなくてはいけなかった」と、難しい場面も多かったとした。

 ゴールキックはディフェンスリーダーでもある西尾隆矢が務め、トム・グローバーも使いながらのビルドアップを目指した。その西尾は、ビルドアップで手詰まってしまったことについて「もっと自信を持ってプレーすることが大事」とコメント。「こういうプレッシャーのかかった中で、どうしてもやっぱりセーフティにやりがちなところがある。誰がどこに受けに行くとかっていうところの細かいところが、ちょっとずつこう後手になってきてしまっている」と、安全な形を目指すことで苦しくなると語った。ただ、「練習通りにしっかり自信を持ってやれれば問題ないのかなと思う。そこは反省して、開幕にはしっかりできるようにしたい」と、アルビレックス新潟との開幕戦までに、しっかりと修正していきたいとした。

 百年構想リーグでも大宮の攻撃力は群を抜いていたが、守備面では不安定な部分を露呈。この試合でもミスが絡んでの2失点と、勝てた試合を落とした印象は拭えない。西尾は「今日は勝利を届けられなかったっていうのが1つ反省なところがある」とコメント。それでも、「全部勝てるようにっていう意気込みでやっていかないといけないですし、自分たちはプレシーズン素晴らしい準備ができたと思っているので、躍動感のあるサッカーをして、観客の皆さんにも良いサッカーを見せられたら」と、ナダル監督と共にやってきたことに自信を持って、リーグ戦に臨んでいきたいと意気込みを語った。

取材・文=菅野剛史(サッカーキング編集部) 

【動画】大宮は9年ぶり“さいたまダービー”で2度リード