11月に発足が見込まれる防災庁の地方拠点について、今月24日時点で国に誘致を求める地域が全国で45団体に上ることが内閣官房への取材で分かった。このうち、道府県レベルでは、半数の23道府県(市との共同要望を含む)が要望した。過去の震災で大きな被害を受けた地域が目立つ一方、東京一極集中是正や地域活性化に期待する声もあり、地方側の関心が高まっている。
21道県は単独で、愛知県は名古屋市、大阪府は大阪市と共同でそれぞれ要望した。政令市は全20市中、名古屋、大阪両市を含め7市が要望。さらに10市と6地域、関西広域連合も設置を求めている。
東日本大震災の被災地域では岩手県や宮城県、仙台市、福島県いわき市、能登半島地震で被災した石川県や富山県、阪神淡路大震災で大きな被害を受けた兵庫県などが要望した。
岩手県の達増拓也知事は東日本大震災から15年余り経過したことを踏まえ「(拠点設置は)防災意識を高め、過去の災害を風化させない効果がある」と強調。石川県の山野之義知事は能登半島地震と豪雨災害の経験から「多くの自治体に横展開できる知見が積み重なっている」とアピールした。
岡山県の伊原木隆太知事は「岡山は災害が少ない。分庁の一つは西日本に置かないと意味が無い」とし、担当者も「東京一極集中是正のため首都機能の地方移転は望ましい」と述べた。「国の機関を誘致することで地域の活性化が期待できる」(福島県いわき市)との声も聞かれた。
防災庁設置法は13日に成立。地方拠点の「防災局」を公布から2年以内に設置すると規定している。政府は2027年度以降に2カ所設置する方針だ。東京の本庁に加え、日本海溝・千島海溝地震、南海トラフ地震の想定地域内に1カ所ずつ設けたい考えで、今後、具体的な業務内容や設置場所を検討する。