城内実経済財政担当相は24日の閣議に、2026年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。中東情勢の緊迫化による物価上昇圧力を受ける中、日本経済は「最高水準の企業収益や良好な雇用所得環境などが支えとなり、民需を中心とした回復基調が続いている」と評価。政府が目指す「デフレ脱却宣言」に向け、「中東情勢の影響により実体経済をどの程度下押しするのか慎重に見極めていく必要がある」と強調した。
日本経済はバブル崩壊後の1990年代にはデフレに陥ったとされ、政府は01年に公式にデフレを宣言。近年は物価上昇の定着などを受けて「明らかにデフレの状況にはない」との認識を示す一方、「デフレに後戻りする見込みがないとまでは言えない」として脱却の判断を見送っている。
政府はデフレ脱却の判断に当たり、(1)消費者物価指数(2)国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーター(3)需給ギャップ(4)一定量の製品を作るのに必要な賃金を示す単位労働コスト―の4指標を重視する。
このうち消費者物価は、ロシアのウクライナ侵攻や円安などを背景に26年5月まで57カ月連続で上昇。価格転嫁の動きも定着し、GDPデフレーターは22年以降、改善が続く。単位労働コストも春闘での大幅賃上げを受けプラスが続き、白書は「賃金上昇を伴う物価上昇の実現が徐々に近づいてきている」と指摘した。