ドイツ海軍が導入を予定していた「ニーダーザクセン級フリゲート(F126)」の計画が中止されることになったと、2026年6月24日、ドイツ国内の複数のメディアが報じました。
かねてから遅延は指摘されていた…
ドイツ海軍が導入を予定していた「ニーダーザクセン級フリゲート(F126)」の計画が中止されることになったと、2026年6月24日、ドイツ国内の複数のメディアが報じました。
F126はフリゲートに分類されるものの、東西分裂期を含む戦後のドイツ海軍史上、最大規模の艦艇建造プロジェクトとして計画され、2023年12月に建造が開始されていました。
全長は約166m、最大排水量は約1万1000トンに達するとされ、アメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦をわずかに上回る大型艦となる予定でした。
艦の設計はドイツ企業ではなく、オランダのダーメン・グループが担当することになり、2020年6月に4隻の建造契約が締結されました。その後、ドイツ側がオプションを行使したことで、計6隻が建造される計画となりました。
しかし、ソフトウェアの問題やドイツの調達機関とダーメンとの意思疎通の困難などが原因で、計画はコスト超過とスケジュール遅延に見舞われていました。当初予定されていた2028年の引き渡しは、事実上ほぼ不可能な状況であると以前から報じられていました。
この艦は強力な対空・対潜戦能力を備え、少人数での長期展開を可能とすることが想定されていたほか、任務に応じて武装や索敵装備を換装できるモジュール方式の採用も計画されていました。その性格から、フリゲートというよりも実質的には次世代の多用途駆逐艦といえる存在であり、設計も極めて複雑なものとなっていました。
また、実際の建造はドイツ国内のピーネ造船所を中心に、国内企業であるNVLが担当していましたが、設計そのものはダーメンが担っていました。そのため、設計変更のたびに複数の企業や行政機関をまたいだ調整が必要となり、これが遅延を拡大させる大きな要因になっていたとされています。
こうした状況を受け、かねてから代替案として、ドイツの造船大手ブローム・ウント・フォスが建造するMEKO A-200型フリゲートを8隻調達するプランが模索されていましたが、今回の報道によると、その方針が決定的になったようです。
なお、同型艦はすでに南アフリカ海軍やアルジェリア海軍などで運用実績があり、信頼性の高い艦艇として知られています。
今回の計画見直しにより、約20億ユーロ(約3700億円)の費用が損失処理される見込みです。国際的な経済紙である「フィナンシャル・タイムズ」この案件を「近年のドイツにおける調達事業の中でも最大級の失敗例の一つ」と評しています。