千葉県の幕張メッセで開催された建設業界・測量業界向け展示会「CSPI-EXPO 2026」の山本基礎工業ブースでは、業界で最も“低い”スライド工法重機「CB-190025-A」が展示されていました。
狭い現場で活躍する重機
2026年6月17日から20日まで千葉県の幕張メッセで開催された建設業界・測量業界向け展示会「CSPI-EXPO 2026」の山本基礎工業ブースでは、業界で最も“低い”スライド工法重機「CB-190025-A」が展示されていました。
スライド工法とは、組み立てた巨大な構造物や建築資材を、レールや台車、ジャッキなどを用いて水平移動させる施工技術です。同社の重機はこのスライド工法に対応しており、橋脚の低い橋桁の下など、狭い空間でも杭を打つことができます。
通常、このような杭打ち作業では10m以上の支柱が必要になりますが、同社の重機ではわずか2.94mの高さで同様の作業を行うことができるということで、担当者は「例えば耐震補強の際、橋を補強するためにはスラブを一度撤去し、新たに作り替えるしかありませんでした。しかし、この工法を使うことで基礎の補強が可能となり、インフラを維持したまま工事を行うことができます」と説明します。
コンクリート構造物は、定期的なメンテナンスを行えば100年以上の寿命を持たせることが可能とされています。こうしたスライド工法用重機を活用することで、橋を取り外すことなく改修工事を行うことができます。
また近年では、線状降水帯の発生による集中豪雨により、アンダーパスの水没が増加しています。こうしたアンダーパスの排水機能向上にもこの重機が活用されており、地中深くまで杭を打ち、雨水排水システムの構築などの工事を、高さ制限のあるアンダーパス内でも実施しています。
もうさすがに低くするのは限界?
今回のタイプは、現場のスライド装置を通じて移動する方式ですが、同社の従来機のようにクローラー(キャタピラ)を装備して移動することも可能です。ただし、極めて低い空間での作業では、やはりスライド装置を備えたタイプの方が適しているといいます。
同社のスライド工法における低空間対応の挑戦は2010年から始まっており、最初は高さ4.5mの「KB1500R」を開発したとのことです。そこから年々高さを低減させていき、2023年の「SRD1200HL」では3.03mを実現。そして今回展示された「CB-190025-A」は、2025年から稼働している最新機となります。
「恐らく現行の2.94mという機械の高さが限界だと思われます。これより低くすると機材が入りきらないためです」と担当者は話します。なお、今回の重機は東名高速道路の拡張工事で実際に使用されていたものを、展示用に洗浄したものとのことでした。