建設機械レンタル大手のアクティオが、第8回国際 建設・測量展で遠隔操作や電動建機、熱中症対策製品を紹介しました。単に機械を貸すだけではない、現場課題に寄り添う最新提案とはどのようなものなのでしょうか。
「レンサルティング」で現場に付加価値を提供
2026年6月17日から20日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された、建設・測量分野の最新技術が集まる「第8回国際 建設・測量展」(CSPI 2026)で、アクティオのブースを取材しました。
同社は建設機械のレンタルを主力とする企業で、2027年に会社設立60周年を迎えます。近年は、単に機械を貸し出すだけでなく、現場の課題に合わせたソリューションを組み合わせる姿勢を打ち出しています。
その考え方を表す言葉が「レンサルティング」です。レンタルとコンサルティングを掛け合わせた同社の造語で、機械や設備を提供するだけでなく、使い方や運用方法まで含めて提示するというものです。
建設現場では、人手不足や安全対策、暑熱環境への対応など、さまざまな課題が同時に深刻化しています。アクティオの展示は、そうした現場の変化にレンタル会社としてどう応えていくのかを示す内容となっていました。
タワークレーンを地上から操作 安全性向上にも期待
ブースで目を引いた展示のひとつが、タワークレーンの遠隔操作システム「TawaRemo」です。
本来、タワークレーンのオペレーターは高所の操縦席まで上がって操作します。しかし、現場によってはそこへ行くだけでも大きな負担になります。特にダム工事などでは、クレーンの足元まで移動すること自体が大変なケースもあるといいます。
このシステムでは、操縦席を地上側に設け、カメラ映像などを見ながらクレーンを操作します。担当者によると、2026年6月のCSPI開催時点で国内の15ほどの現場で稼働した実績があるとのことです。
一方で、現状は法令上の制約もあります。技術的には遠く離れた場所からもクレーンを操作できますが、無線による遠隔操作には法令上の制限があり、現時点では同一現場内で有線接続による運用が基本となっています。
それでも、高所へ上がる必要がなくなることは、作業者の負担軽減や安全性向上につながります。建設現場における遠隔操作の導入は、今後さらに注目されそうです。
電動バックホーを遠隔操作 遅延は約0.2秒まで短縮
もうひとつの注目展示が、電動バックホーの遠隔操作です。会場では、竹内製作所(長野県坂城町)が製造するミニショベルを使い、近くに設けた操作席から実際に遠隔で動かすデモが行われていました。
本来は遠く離れた場所から操作できる仕組みですが、展示では来場者が機械の動きを直接見られるよう、あえて近距離で実演していました。担当者によれば、通信環境を整えれば東京から北海道の機械を操作するような遠隔運用も可能とのことです。
操作するミニショベルはアクティオのレンタル品で、操作制御システムは協業先の技術を組み込んでいます。
映像や制御信号の通信には衛星通信サービス「スターリンク」などを活用できるといい、映像遅延は実質約0.2秒まで縮められるようになっているとのことです。通信速度の向上により、従来は難しかった遠隔操作も現実味を帯びてきました。
ただし、課題も残ります。カメラ映像では人間の目のように距離感をつかみにくく、精密な作業では生産性が上がりにくい面があります。
現時点では「遠隔化」は人手不足への対応や危険作業の回避に強みがあり、自動化へ進む前段階の技術といえそうです。
現場の暑さ対策に「冷える~む3」 屋内向けに展開
建機だけでなく、現場環境を支える製品も展示されていました。そのひとつが、冷房機能付きテント型休憩所「冷える~む3」です。
冷える~む3は、建設現場などに簡単に設置できる熱中症予防対策の休憩スペースです。シリーズとして展開されており、従来の「冷える~む2」は屋外向けで、三角形の屋根を持つテント仕様でした。
一方、今回紹介されていた冷える~む3は屋根がフラットな形状で、屋内作業場などで使いやすい仕様に落とし込まれており、2026年5月1日からレンタルを開始した新商品です。
担当者によると、冷える~むを一度利用した顧客からは翌年も使いたいという声が多いそうです。暑さが本格化する6月、7月になると在庫が少なくなるため、3月、4月ごろから予約するケースも見られるとのことです。
今後の建設機械について、アクティオの担当者は「現状では自動化よりも遠隔化の動きが多い」と話します。
将来的にはAIなどの発展により、自動化の流れが加速する可能性があります。ただ、建機そのものの開発はメーカーが担う部分も大きく、レンタル会社としてはメーカーや技術企業との協業が重要になるといいます。