JR新快速の「元ライバル」ついに最後の1本に! 扉の数が運命を分けた? 阪急京都線のかつての「顔」

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かつて阪急京都線で特急に使われ、現在は嵐山線を走る6300系電車が数を減らしています。6352編成が最後の1本となりました。

阪急京都線の特急車両6300系

 阪急嵐山線では、元特急車両の6300系電車が使用されてきましたが、2026年から廃車が進んでいます。嵐山線用の6300系は4両編成3本が存在しましたが、6351編成と6353編成が引退しており、6352編成が最後の1本となりました。

 阪急の6300系は1975(昭和50)年に登場した京都線の車両です。大阪と京都(現在の大阪梅田と京都河原町)を結ぶ特急車両として造られました。「特急」と言っても料金は不要で、JRの新快速や快速のように運賃のみで乗れる速達列車です。

 6300系は当初、客室の座席配置に転換クロスシートを採用していました。2人掛けの座席を客室いっぱいに並べたもので、出入口の扉を端に寄せつつラッシュに備えて両開きの扉を採用したことで、独特の外観となっています。

 2人掛けの座席は進行方向によって向きを変えられるのが基本ですが、扉の脇の座席は固定されています。さらに、扉の脇には折りたたみの座席も備えていました。このほか、カード式の公衆電話が設置されていた時期もあります。座席にはリクライニング機能がないものの、料金不要の列車としては客室の水準が高い車両でした。

 運転台は従来の2ハンドル式をやめて、T形ワンハンドルマスコンを採用しています。乗務員室が拡大されたため、乗務員室に隣接する窓をやめ、空いた部分に「Hマーク」を添えています。のちに、阪急の新しい社章が制定されたためにHマークをやめ、次いで小さい窓が追加されています。ちなみにワンハンドルマスコンや「Hマーク」は、京都線向けの車両では6300系が最初でしたが、阪急神戸線の車両では先例があります。

 2025年には、6300系シリーズ誕生50周年を記念して6352編成に装飾が施されています。6352編成では「Hマーク」をシールで復刻していますが、のちに追加された窓を避けた形で「Hマーク」が添えられています。

特急を追われた6300系

 現在も、阪急京都線の特急には転換クロスシートの車両が使用されています。2003(平成15)年に登場した9300系と、2024年に登場した2300系の2種類です。これらの車両は、座席指定(プライベース)車両を除き、阪急の車両で標準的な片側3扉です。

 6300系の登場後、阪急京都線の特急は途中停車駅を増やして、競合するJR西日本の新快速に対応しています。

 9300系の増備によって6300系は追われる立場となり、2010(平成22)年2月を最後に京都線の特急から退いています。2008(平成20)年からは、先の3本が嵐山線に転用されており、その際、8両編成から4両編成に短縮されました。車内もリニューアルされ、出入口付近には窓を背にしたロングシートを設置、転換クロスシートは1人掛けと2人掛けの組み合わせに改められています。

 このほか、6300系を改造した観光列車として2011(平成23)年に「京とれいん」が登場しました。これは6354編成を6両編成とし、車内外に京都風の「和モダン」の装飾が施されたもので、内装は2両ごとに変えて京町風のボックス席に改装した車両もありました。「京とれいん」は京都線に返り咲き、快速特急などで使われましたが、2022年に運行を終了して翌年に廃車されています。

 嵐山線では2027年春からワンマン運転が始まる予定で、各駅にはセンサー付きホーム固定柵が設置される見込みです。この関連で車両もワンマン運転に対応したものに置き換えられることとなり、阪急で標準的な片側3扉の車両に統一されます。

 嵐山線の6300系の後継車両として、ワンマン化とリニューアルが行われた8300系が導入され、2026年4月に営業運転を開始しています。2026年6月時点で、2本目が営業運転に就き、さらに3本目が登場しています。