【ワシントン、カイロ時事】米財務省は22日、対イラン制裁を8月21日まで一時的に緩和し、イラン産原油の販売などを容認すると発表した。米イランが先に交わした戦闘終結の覚書に基づく措置で、バンス米副大統領が表明した「イランの核査察受け入れ」を受けた対応とみられる。
ベセント財務長官はX(旧ツイッター)で、イランが原油輸送の要衝ホルムズ海峡の「自由で開かれた通航」を確約し、国際原子力機関(IAEA)の査察官受け入れに応じたと指摘した。
発表によると、イラン産の原油や石油製品の取引、運搬などを制裁対象から外し、一時的に許可。イラン産原油の主要な輸入国は中国だが、日本や韓国なども過去に輸入し、制裁発動に伴い購入を停止した経緯がある。
米イランはスイスで21~22日、イランの核問題やホルムズ海峡の通航再開を協議。海峡での安全な航行を確保するための連絡網構築で一致した。米代表団を率いたバンス氏は協議後の記者会見で、イランが核査察受け入れで合意したと述べ、「大きな節目だ」と強調。実務レベルの交渉をスイスで継続すると明らかにした。
ただ、イラン外務省報道官は22日、協議では核問題を話し合わなかったと語った。従来の手続きに従って「IAEAとの協力関係は続く」と説明し、査察を受け入れるかどうかについては明確な態度を示していない。
ルビオ米国務長官は23~25日の日程で湾岸諸国を歴訪し、バーレーンで湾岸協力会議(GCC)に出席。ホルムズ海峡の通航再開などを話し合う。一方、イランのガリバフ国会議長とアラグチ外相がオマーンを訪れ、海峡の管理について議論すると伝えられており、航行正常化を巡り、駆け引きが強まりそうだ。