空母からイージス艦まで! メキシコの都市「モンテレー」が何度も米軍艦に名付けられる理由——W杯で激戦の地となるか?

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サッカー・ワールドカップで日本代表が次戦を行うメキシコの「モンテレー・スタジアム」。実はこの「モンテレー」という地名、過去四代にもわたってアメリカ海軍の軍艦に命名され続けてきました。外国の地名がなぜ米軍艦の艦名になったのか解説します。

米墨戦争の死闘と「モンテレー」の歴史

 ワールドカップ北中米大会が6月11日から始まりました。日本代表にとって初戦となった対オランダ戦は、アメリカ合衆国テキサス州にあるダラス・スタジアムで行われ、最終的に2-2のドロー(引き分け)で終わりましたが、21日(日本時間)には第2戦が控えています。

 次に対戦するのはチュニジアで、場所はメキシコのヌエボ・レオン州モンテレー(モンテレイ)に位置する「モンテレー・スタジアム(エスタディオBBVA)」です。

 ところで、このモンテレー、メキシコの地名にもかかわらず、過去何隻もアメリカ海軍の軍艦にその名が命名されています。それは一体なぜなのでしょうか。

 遡ること180年前の1846年4月25日、アメリカはテキサスの帰属問題などを発端としてメキシコと開戦し、米墨戦争が勃発しました。この戦争に勝利したアメリカは、現在のカリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州の全域に加え、テキサス州、コロラド州、アリゾナ州、ニューメキシコ州、ワイオミング州の一部をメキシコから譲渡させました。

 アメリカの領土拡張を決定づけたこの戦争において、1846年9月21日から23日にかけてアメリカ軍とメキシコ軍が死闘を繰り広げたのがモンテレーの町です。最終的にアメリカが勝利したこの戦いを記念して、アメリカ海軍の軍艦に「モンテレー」の名が付けられるようになったのです。

最新の「モンテレー」は退役したばかり

 最初に「モンテレー」と名付けられた艦は、1863年4月20日にアメリカ海軍が民間から購入した、蒸気機関搭載のスクリュー推進式武装タグボートでした。同艦は、1892年10月7日に退役しています。

 2代目「モンテレー」は、カリフォルニア州サンフランシスコ生まれのモニター艦(いわゆる沿岸戦闘艦)で、同地にあるユニオン鉄工所で建造され1893年2月13日に就役、1921年8月27日に退役しました。

 続く3代目の「モンテレー」は、クリーブランド級軽巡洋艦の船体を利用したインディペンデンス級軽空母の5番艦で、ニューヨーク造船所で建造され、1943年6月11日に就役すると第二次世界大戦を生き抜き、朝鮮戦争に従軍したのち1956年1月16日に退役しています。

 そして4代目、最新となる「モンテレー」は、イージス・システムを搭載したタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の15番艦で、バス鉄工所で建造され、1990年6月16日に就役し、2022年9月16日に退役しました。

 このように、外国の地名であるにもかかわらず、自国軍の勇戦と勝利を称えて、実に四代にもわたってアメリカ海軍軍艦に引き継がれてきた艦名「モンテレー」。同じ名称を冠するスタジアムにおいて、サッカー日本代表はどのような試合を繰り広げるのでしょうか。今から期待に胸が弾みます。