クマ対策は“ランダム性”がカギ! 50種の音声で威嚇する「モンスターウルフ」建設現場でも必要な理由とは?

2026年工作機械好調の要因は?

2026年6月17日より始まった建設業界・測量業界の展示会「CSPI-EXPO 2026」のナカモトブースでは、「モンスターウルフ」という製品名のクマよけ装置が公開されていました。

オオカミ型のクマよけ装置

 2026年6月17日より始まった建設業界・測量業界の展示会「CSPI-EXPO 2026」のナカモトブースでは、「モンスターウルフ」という製品名のクマよけ装置が公開されていました。

 この装置を開発したのは、北海道の太田精器という会社です。仕組みは、オオカミ型ロボットのLED製の目が光り、首が左右に揺れると同時に、大音量のほえる音が流れるというものです。この装置により、シカはもちろん、ヒグマやツキノワグマも撃退できるとのことです。

 近年、クマが人里に出没するニュースが増えており、実際に被害も発生しています。そうした人里に下りてくるクマなどの野生動物に対応するための装置が、この「モンスターウルフ」です。

 たまたまブース内に同社の代表取締役がいたので話を聞いてみると、「野生動物を追い払うにはランダム性が重要になります」と説明していただきました。

 同装置では50種類以上の音声パターンを用意しており、それらをランダムに再生することで、野生動物がパターンを覚えて慣れてしまうことを防ぐ効果があるそうです。しかも、それらの音声は90デシベルという、工事現場クラスの極めて大きな音で流れます。

 本来、クマは音に敏感な生き物であり、こうした音を聞くと驚いて逃げていくケースが多いとのことです。また、オオカミ型ロボットも重要な役割を果たしているといいます。LEDの赤い目が点滅する仕組みになっていますが、この点滅によってクマは何らかの脅威となるものが近くにいると認識するようで、大きな音と組み合わせることで、さらに高い効果が期待できるそうです。

 同装置はすでに北海道や東北地域の田畑などに設置されており、一定の効果を発揮しています。会場では、実際に巨大なヒグマを撃退した様子などが動画で公開されていました。

なぜ建設現場にこのような装置が必要か?

 ただ、今回この装置が公開されていたのはナカモトのブースです。実は、建設現場でもクマ対策の重要性が高まりつつあるとのことです。

 「クマは人里に下りる際、川に沿って谷筋を移動するケースが多くなります」と代表取締役は話します。そうした場合、川にかかる橋脚の建設や橋桁の設置工事、橋梁の保守点検などを行う建設業者は、特に危険性が高くなります。

 そこで、同社のモンスターウルフを、クマの通り道になりそうな獣道や谷筋に設置することで、人と野生動物の境界を明確にし、不必要な遭遇による被害を防ぐ効果があるそうです。

 ここ数年、クマの増加による縄張りの拡大だけでなく、シカなどの増加による木の実などのエサ不足も、人里でクマの目撃例が増える要因になっています。また、人里で人間が育てた作物や放置された残飯などの味を覚えたクマは、その子どもの世代にも同じエサ場を教えることが多いそうで、今後も人里に下りてくるクマが大幅に減少することは当面ないとみられています。

 2026年6月には、すでに栃木県宇都宮市の中心市街地でツキノワグマが出没し、大きな問題となっていました。太田精器では、こうした都市部にまで進出するクマに対応するため、音量を維持しながら特定方向にのみ音を届ける指向性の高いスピーカーを搭載した装置や、大手通信会社と連携したクマ対策システムの開発なども検討しているとのことです。