「幻の“京急”延伸計画」の道路版、なぜ急ぐ? 半島の縦貫道は“ブツ切り”でも効果アリ? 「マグロの聖地」へのバイパス計画

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神奈川県は2025年5月、三浦市で事業中の都市計画道路「西海岸線」の特設サイトを開設しました。事業のアピールを強化しています。

京急“幻の延伸計画”の道路版「西海岸線」

 神奈川県は2025年5月、三浦市で事業中の都市計画道路「西海岸線」の特設サイトを開設しました。事業のアピールを強化しています。

 西海岸線は、京急の終点である三崎口駅付近から南西へ、小網代湾をまたいで油壷地区へつなぐ5.7kmの区間です。2016年に京急が計画を凍結した油壷延伸の道路版といえます。なお、油壷より南は三崎港まで西海岸線がすでに開通しています。

 三崎口駅の南側には、小網代湾から続く風致地区「小網代(こあじろ)の森」が横たわります。三浦市役所方面へ向かう場合、この森を迂回する内陸の県道1本しかなく、これに接続する国道134号なども慢性的に渋滞するボトルネックとなっています。そこで、海沿いにバイパスを通すことで渋滞を緩和し、緊急輸送路の確保によって防災面の機能評価も図る目的があります。

 この小網代の森がまさに、京急の延伸を阻んだ大きな要因でもあります。道路も当初は、小網代湾を一部埋め立て、湾に沿って建設する計画でしたが、これを変更。より沖の方を「小網代大橋(仮称)」で一気に跨ぐ線形とすることで、環境への影響を抑えることとしました。

 小網代大橋は長さ619m。2つの異なる形式から成り、小網代湾内には2本の橋脚が建設されます。景観や生態系への配慮として、橋梁の高さを低く抑えることで、小網代の森付近から見た際にできるだけ樹木に隠れるようにすること、また道路の照明も可能な限り明るさを抑えるとされています。

 この西海岸線、2023年度に事業化されてから調査が進められ、いよいよ用地買収が始まる段階となります。

 なお、この路線の北側は将来的に「三浦縦貫道」へとつながる計画ですが、三浦縦貫道は三崎口駅付近から現在の開通区間までのあいだが未着手となっています。

 西海岸線は三崎口駅前の国道134号といったん立体交差し、駅の北側から連結路を延ばして134号と接続する線形となります。将来的には、この連結路との接点に三浦縦貫道が接続し、“高速直結”が果たされることでしょう。三浦市はこの西海岸線と、三浦縦貫道の未着手区間の早期整備をセットで訴えています。

主要渋滞箇所を回避するなら、まず末端

 引橋交差点は横須賀から半島南部を周回する国道134号が南西方面から北西方面へと向きを変えるポイントで、さらに三崎港方面へ向かう県道横須賀三崎線が接続し、県の主要渋滞箇所に位置づけられています。

 さらに三崎港方面へ進んだ「油つぼ入口」交差点も主要渋滞箇所です。これらを避けるには半島東部をぐるっと大回りするしか選択肢がほぼない状況です。

 そこで、三浦縦貫道よりも先に西海岸線を通せば、三崎口駅付近から西回りで三崎港へ至るルートができ、主要渋滞箇所を回避可能になるというわけです。

 とはいえ、地元は三浦縦貫道II期区間の延伸の早期事業化も、西海岸線とセットで要望しています。2022年の三浦縦貫道の延伸は、並行する国道134号や県道214号の渋滞を大きく緩和させ、高円坊からの市道が国道134号の西海岸側に接続する「初声小学校入口」交差点から衣笠ICまでの所要時間は、31分から14分にまで短縮したそうです。

 西海岸線は2033年度の開通が目指されていますが、半島の厳しい地形で代替路が乏しいなか、三浦縦貫道の延伸とセットで半島の突端までバイパスがつながるか、注目です。