「首相候補」、新興右派と接戦か=反移民の声根強く―英補選

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 英中部マンチェスター郊外のメイカーフィールド選挙区で18日、下院補選が実施される。退陣圧力にさらされている与党労働党のスターマー首相(党首)の後任を狙う同党候補バーナム・マンチェスター市長と、新興右派ポピュリスト政党リフォームUK候補の接戦が伝えられており、現地では支持が真っ二つに割れる構図が浮かび上がった。
 首都ロンドンから列車で北西へ約2時間のメイカーフィールド選挙区は人口10万人強。白人が約9割を占め、中流層と労働者層が混在する地域だ。長く労働党の地盤だったが、近年は反移民を唱えるリフォームが急激に追い上げ、5月の地方選でも大躍進した。
 選挙区内の中心的な町であるアシュトン・イン・メイカーフィールドでは、労働党の赤色とリフォームの水色のポスターがあちこちで競り合うように並んでいた。政策宣伝のリーフレットを手に戸別訪問に向かう運動員たちの姿も目に付く。「与党が自党の首相交代を念頭に戦う異例の補選」(英メディア)への注目度は高い。
 記者が住民に話し掛けると、押し寄せる報道陣にへきえきしているのか多くが取材拒否。そんな中、取材に応じてくれたリサイクルショップで働くトレイシーさん(61)は「地元出身のバーナム氏が当選すれば地域全体にとって素晴らしい」と語った。
 一方、匿名を条件に話した女性(60)は「何十年も労働党を支持してきたが、今回は違う」と憤った様子だ。「病院はベッドが不足し、公園も放置されたまま」と公共投資不足を批判。「労働党を政権から引きずり降ろす」ためリフォームに入れると主張した。また、刑務所勤務のロビー・ロバーツさん(56)は「移民が多過ぎる。適切に管理し流入を止めるべきだ」と訴え、リフォームへの支持を明言した。
 選挙を機に社会の分断が進むことを懸念する声もある。トレイシーさんの同僚エミリーさん(21)は「私は労働党、友人はリフォームを支持している。私たちは友達だけど、支持政党が違うため衝突したり疎遠になったりする人も多い。まるで(トランプ政権下の)米国のよう」と述べた。
 リフォームの分派が結成し、米実業家イーロン・マスク氏が支援する右派の新党リストア・ブリテンも注目を集める。リフォームよりさらに強硬な政策を掲げて右派層に食い込み、じわじわと存在感を増している。女性(61)は「26歳の息子はリストア支持。(既成政党に反発する)若い人たちの関心がリストアに向いているようだ」と語った。 
〔写真説明〕補選に向け支持を呼び掛ける各政党のポスター=12日、英中部アシュトン・イン・メイカーフィールド
〔写真説明〕与党労働党の補選候補バーナム・マンチェスター市長のポスターを掲げるパブ=12日、英中部アシュトン・イン・メイカーフィールド