2026年発売の新作ゲーム『Forza Horizon 6』で、突如脚光を浴びている“世界最小のクルマ”「ピール・P50」。手で引っ張って方向転換する1960年代の超小型車が、ゲーム内で時速320kmの魔改造マシンと化します。
運転姿勢は“体育座り”の「世界最小のクルマ」
2026年5月19日に発売された、オープンワールド・ドライビング・ アドベンチャーゲーム『Forza Horizon 6』。本作は、日本の環境を再現したフィールドを縦横無尽に走り回れるドライビングゲームとして、ユーザーから高い評価と人気を得ています。
作品内には多くの車種が登場しますが、中には年代物の、いわゆる“旧車”も存在します。その中で現在、SNSを中心に多くのユーザーの興味を引いているクルマがありました。
それは“世界最小のクルマ”と称される「ピール・P50」です。極めて小型の三輪自動車(トライク)で、そのサイズは全長134cm、全幅99cm、全高120cm。1962年に誕生した同車は、その小ささから2010年にギネス世界記録の認定を受けています。
コンセプトは「大人一人と買い物バッグが入るクルマ」というもの。運転する際はほぼ体育座りのような姿勢を強いられ、荷物置きもない超コンパクトな構造です。車重は56kgと軽く、バックギアがないため“後ろのバンパーを掴んで持ち運ぶ”ことで方向転換を行います。イギリスの人気自動車番組『Top Gear(トップ・ギア)』でも特集が組まれ、司会者がこの車両を引っ張ってBBCの本社ビルに入り、乗車したままエレベーターで移動したり会議に参加したりと、一種異様な光景が繰り広げられました。
この自動車はマン島で生産された唯一の自動車であり、ピール・エンジニアリング・カンパニーという企業が開発に携わりました。最高速度は61km/h、燃費も2.8L/100km(約35.7km/L)と、現代の「シティカー」の先駆けともいえるスペックを備えています。
とはいえ、このクルマにはエアコンもラジオもなく、居住性は必要最低限でした。総生産台数は50台にも届かず、現存するのは全世界で30台弱とか。その希少性ゆえに、「Manx Transport Heritage Museum」などで動態保存されています。
それが今回『Forza Horizon 6』に収録され、多くの人の目に触れることになりました。さらにゲーム内では、改造次第で320km/h以上の超高速を叩き出すモンスターマシンに変貌します。
ゲーム内で獲得したユーザーは、SNS上で「街乗り向きで小さくて可愛い」「ぜんぜん上り坂が登れない」「改造後は全く曲がらない」と様々な声が寄せられました。このコンパクトな見た目からは想像できないチューニングのギャップにより、ゲーム内の分類の通り「カルト・カー」として人気を得るに至っています。
日本の景色を走るマン島発の超小型シティカー。同じ島国同士の奇妙な縁により、半世紀以上前のレトロ自動車に新たなブームを呼び込む流れが生まれているといえるでしょう。