ホンダの最上級SUVである「CR-V」に、待望のハイブリッドモデルが追加されました。海外でのデビューから約3年半遅れての発売となりましたが、どのような立ち位置のモデルとなっているのでしょうか。
待望の国内導入! でも実は“改良後”モデル?
2026年2月、現在のホンダの最上級SUVである「CR-V」に、待望のハイブリッドモデル「e:HEV」が追加されました。海外でのデビューから約3年半遅れての発売となりましたが、強力なライバルがひしめく大型SUV市場において、どのような立ち位置のモデルとなっているのでしょうか。
現行CR-Vは、1995年デビューの初代から数えて6代目となるモデル。海外市場では2022年から各地で販売されています。
その一方、日本では2022年8月に先代モデルの販売が終了。2024年には燃料電池車「CR-V e:FCEV」が遅れてデビューしましたが、800万円以上と高額であり、しかもリース販売されるのみの展開。水素インフラがまだまだ充分でないことも考えると、一般ユーザーにとっては現実的な選択肢ではありませんでした。
そのため販売の現場には、これまでのCR-Vユーザーから「CR-Vから乗り換えられる、大きなホンダのSUVが欲しい」という声も寄せられていたとのこと。こうしたユーザー層に提案できる商品がないことは販売店としては痛手であり、他社のモデルに乗り換えてしまったユーザーも少なくなかったようです。
このような販売現場やユーザーの声に応える形で、世界デビューから約3年半遅れで日本発売となったハイブリッドのCR-V。日本では新型モデルとなりますが、グローバルで見ると既に最初の改良がひと通り終わったタイミングであり、日本仕様も“改良後”のモデルとなっています。
また、新しいCR-Vの日本仕様はタイで生産が行われており、グレードも「RS」と「RSブラックエディション」の2種で展開されます。装備面では後者の方が充実しており、先進安全装備の「Honda SENSING 360」やヘッドアップディスプレイ、前席のシートベンチレーション、電動パノラミックサンルーフなどが備わります。
「落ち着き」と「ハード感」が背中合わせ?
では、より熟成が進んだ新しいCR-Vへ実際に試乗します。まず運転席からの視界は、ホンダ車らしくとても良好な印象です。
ただ、9インチのセンターディスプレイは最新モデルとしては小さく、古さを感じるポイントです。中国市場向けのモデルには、より大型のディスプレイが採用されているそうなので、ぜひ日本仕様にも装着してほしいものです。
一方、乗り味は「RS」を名乗るだけあってスポーティな印象で、大柄なSUVながら、高速域での落ち着き感は同クラスのライバルより若干秀でていると感じました。乗り心地は、セダン的な引き締まった雰囲気。やや重めなハンドルやカチッとした手ごたえのある操作系統も相まって、全体的に落ち着き感のある1台となっています。特にロングツーリングなどでは、その良さが光るでしょう。
また後部座席は8段階のリクライニングが可能で、空間自体も足元を中心に広々としています。身長177cmの筆者(西川昇吾:モータージャーナリスト)が座っても、楽に足を組むことができました。ただ、乗り心地はライバルに比べると若干ハード。ほとんどの人は問題にしないレベルだとは思いますが、「分かりやすくソフトな乗り心地が良い」という人にとっては気になるかもしれません。
新しいCR-Vのハイブリッドを検討する際には、対抗候補としてトヨタ「RAV4」やスバル「フォレスター」、新型になったばかりのマツダ「CX-5」などが挙がります。これらのライバルと比べると、本モデルは上級グレードのみの展開で、価格も決して安くありません。
反面、装備は価格に見合った充実ぶりという印象ですし、乗り味も長距離を得意とするツアラー的な性格。筆者としては、これらの強みがCR-Vを選ぶ決め手になると感じました。