次期戦闘機、高市首相加速狙う=日英伊の共同開発、課題も

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 【ローマ時事】高市早苗首相は今回の欧州歴訪で、日英伊3カ国による次期戦闘機の共同開発計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」の加速を狙った。GCAPは現行の枠組みに関する契約期限が今月末に迫っており、財政難の英国の動向が不安材料。参加国の拡大も課題となっている。
 首相は15日、メローニ伊首相との会談でGCAPの推進を確認。共同記者発表で「(計画の)加速化へ連携していく」と強調した。次期戦闘機は航空自衛隊のF2戦闘機と、英伊の主力戦闘機の後継機となる。衛星やドローン(無人機)と連携した高度なネットワーク戦闘能力を特徴とする「第6世代機」を想定。日本はF2退役が見込まれる2035年度までの開発完了を目指している。
 特に懸念されているのが英国の財政問題だ。英政府は長期の防衛支出額を盛り込んだ「防衛投資計画」の策定にめどが立っておらず、共同開発の遅れにつながると不安視されている。
 今年4月、開発の司令塔となる日英伊の政府間機関「GIGO」と、設計・開発を担う合弁会社「エッジウィング」が最初の契約を結んだものの、英側の事情で契約期間は6月末までとなった。共同開発を重視してきたヒーリー国防相が今月11日、政権の予算抑制方針に抗議して辞任するなど、不透明感が増している。
 日本の防衛省幹部は「英国の関与が揺らいだとは思っていない」と強調。「今は複数年度の契約に切り替えられるよう、外交努力に全力を挙げている」と語った。
 GCAPは14日の日英首脳会談でも議題となった。会談後、日本政府は「両首脳が戦闘機共同開発を加速することで一致した」と発表。首相は「キア(スターマー首相)からとてもいい話があった。さらに加速していける環境が整った」と力説したが、詳細は明らかにしていない。
 もう一つの論点が参加国の拡大の是非だ。カナダは7月にもGCAPにオブザーバー参加する方向で調整している。トランプ米政権の安全保障政策への警戒感が背景にある。フランスとの次期戦闘機共同開発計画が中止になったドイツもGCAPに関心を寄せているとされる。
 英伊両国は開発コストの分担を図る観点から他国の参加に前向きとされる。一方、日本は機密技術の管理や主導権の維持を重視し、慎重な立場を取るとされ、3カ国の温度差が浮き彫りとなりつつある。 
〔写真説明〕日伊首脳会談に臨む高市早苗首相(左)とイタリアのメローニ首相=15日、ローマ(内閣広報室提供・時事)