NEXCO東日本が京葉道路で進めてきた付加車線の設置などにより、一部区間では渋滞損失時間が約6割も減少するなどの効果が出ていますが、新たな渋滞対策が検討される方針です。
対策の効果は「渋滞損失時間6割減」
千葉を貫く「京葉道路」で“新たな渋滞対策”が検討されます。2026年6月10日に開催された「第13回 千葉県湾岸地域渋滞ボトルネック検討ワーキンググループ」でNEXCO東日本がその方針を示しました。
1960(昭和35)年に「日本初の自動車専用道」として開通した京葉道路では、慢性的な渋滞を緩和するため、NEXCO東日本が付加車線の設置などの渋滞対策を進めてきました。
2020年8月から運用を開始した船橋IC~武石IC(上り線)では道路幅は変えずに、路肩と中央分離帯のスペースなどを削って1車線を捻出し、IC出入口の分岐車線を隣のICまでつなげるなどして片側3車線とすることで交通容量を拡大。対策前(2019年)と比較して2024年の渋滞損失時間が約6割減少(55.1万台・時間→21.4万台・時間)しました。交通量は約2割増加しているにもかかわらず、渋滞が大幅に緩和された形です。
京葉道路に接続している千葉東金道路の千葉東JCT(上り線)付近でも、付加車線の設置により2024年の渋滞損失時間が2019年比で約7割減少(4.2万台・時間→1.3万台・時間)しました。これにより、京葉道路(下り線)へ向かう車両が、上り線から延びる渋滞の影響を受けにくくなる効果も出ています。
また、2014年5月に付加車線が供用された穴川IC~貝塚IC(下り線)では、渋滞損失時間はおおむね横ばいですが、交通容量の拡大により、2024年の渋滞発生回数は2014年と比較して約5割減少(553回→295回)しています。
それでも残る渋滞「再燃」している場所も
こうした対策が進められている一方で、京葉道路の渋滞が完全になくなったわけではありません。2018年6月の外環道(三郷南IC~高谷JCT)の開通など、周辺道路網の整備によって交通の流れが変化し、依然として広範囲で渋滞が発生しています。
実際、東関東道と並行する京葉道路(京葉JCT~宮野木JCT)における年間の渋滞損失時間は、外環道開通前の2017年が38.7万台・時だったのに対し、2024年には68.6万台・時と約77%増加しています。
特に、上り線の穴川IC~千葉東JCT合流部間は、対策が進むにつれて渋滞の先頭箇所が移動しています。2024年の現況では「穴川IC(西)~穴川IC(東)」が新たな渋滞の先頭となっており、この区間が次の対策を検討すべき箇所として浮かび上がっているのです。
あの「大屋根」区間にメスを…!?
現在、京葉道路の上り線は、穴川(東)IC出口付近を先頭に、貝塚トンネル手前の車線減少箇所での渋滞、千葉東JCTでの千葉東金道路からの合流渋滞が加わり、千葉東金道路上り線まで慢性的に渋滞しています。
貝塚トンネルは側道である国道16号の内・外回りと京葉道路の上下線で4本のトンネルが横に並ぶ「4連メガネトンネル」になっており、拡幅は構造的に難しく、付加車線の「検討中」のままとなっています。ただ、渋滞の真の先頭はその先、勾配が変化するサグ部となっている「穴川IC(西)~穴川IC(東)」なのが現状で、この部分に焦点を当てて検討を進める模様です。
この「穴川IC(西)~穴川IC(東)」は見た目にも特徴的な区間です。沿道の団地の環境対策として、上り線のみ通常の遮音壁に代わり、側道である国道16号まですっぽりと覆う巨大な緑色の“屋根”が設けられています。また、下り線側は付加車線をすでに設置しています。
もう一つ、今回のWGでは対策方針として「東関東自動車道と並行する区間においては、京葉道路への交通偏在による渋滞が発生。 非効率な経路選択が生じているため、高規格道路ネットワークの有効活用に向けた対策を検討」ともされています。
その要因として、京葉道路の料金が東関東道とくらべて「安すぎる」ことを県が指摘しています。京葉道路の改良とともに、料金体系の抜本的な見直しが図られる可能性があります。