英EU離脱投票10年、論争続く=増す「後悔」、復帰求める声も

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 【ロンドン時事】英国民投票で欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が決まってから23日で10年となる。賛否が割れる中、「EUから主権を取り戻す」の掛け声に押され実現したブレグジットだが、経済への悪影響などから最近は復帰を求める声が増大。欧州統合の流れを覆す歴史的な大転換をもたらした投票結果は、国民の間で今も論争を巻き起こしている。
 2016年6月23日、保守党のキャメロン首相(当時)の決断を受けて国民投票が実施された。事前の世論調査の予測に反し、開票結果は4ポイントの僅差で離脱。EU史上初となる加盟国の離脱が決まった瞬間、離脱派は歓喜に沸き、残留派は肩を落とした。その後、英国はEUとの複雑な交渉を経て20年1月末に正式に離脱した。
 ブレグジットは果たして正しかったのか。時を経て影響が実生活に表れるにつれ、選択を疑問視する人が増えている。調査会社ユーガブが今月発表した世論調査結果によると、「離脱は過ちだった」の回答は全体で57%に達し、国民投票で離脱に投票した人でもその割合は23%を占めた。EU復帰支持も全体で55%に上った。
 背景には経済コストや、離脱派が掲げた「EU拠出金の国内還元」といった恩恵が実感できないことがある。離脱は貿易や投資の減少、労働力不足をもたらし、経済成長を大きく圧迫。EUにとどまった場合と比べ、1人当たり国内総生産(GDP)が6~8%押し下げられたとする専門家の試算も伝えられる。離脱を後悔する世論の広がりから、ブレグジットとリグレット(後悔)を合わせた「ブレグレット」の混成語まで生まれた。
 離脱に投票した元弁護士の男性(73)は時事通信の取材に、「英国が(EUの規制から離れ)再び独立を取り戻すと期待したが、政府は(巨額の清算金を支払わされるなど)離脱交渉で失敗し、国民投票は無意味なものと化してしまった」と不満をあらわにした。
 EU復帰を目指す運動も地道に続けられている。市民団体「欧州運動」は、「EUが必要だ」をスローガンに各地でロビー活動や集会を企画。西ロンドン支部のキャロライン・トレマッシュさんは「離脱は国をじわじわと損なっている」と危機感を示し、「(親EUの傾向が強い)若い人が増えれば将来の復帰は不可能でない」と主張した。 
〔写真説明〕「なぜブレグジットなのか」と書かれた帽子をかぶった男性=3月4日、ロンドン(AFP時事)
〔写真説明〕街頭キャンペーンで住民の対EU観を尋ねる親EUの市民団体「欧州運動」メンバーら=2025年8月、ロンドン(欧州運動西ロンドン支部提供・時事)