乗りものニュースでは読者アンケートを実施。通勤・通学時における「有料着席サービス」の利用者が多い路線や、利用しやすい「課金額」などが分かってきました。
運賃「値上げ」で利用状況に変化アリ?
乗りものニュースでは2026年5月20日から5月27日にかけて、通勤・通学時における「有料特急」や「有料座席列車」「グリーン車」などの着席サービスの利用に関するアンケートを実施しました。
アンケートでは、通勤・通学時に「グリーン車」や「有料特急」などの「有料着席サービス」を利用した経験がある人は全体の8割に上りました。有料着席サービス最大のメリットとしては、通常の運賃に加えて追加料金を支払うことで、「ラッシュで並ばなくても座れる」(50代・男性・近畿在住)点が挙げられています。
また、近年はいくつかの事業者で運賃の値上げが実施されています。「渋谷などに行く時に(JRではなく)京王線経由にすることが増えた」(40代・男性・首都圏在住)と、利用する路線に変化が生じているケースもあります。では、「有料着席サービス」の利用状況には変化があるのでしょうか。
「利用区間のグリーン料金は値上がりしていない」(50代・男性・首都圏在住)
「極端に値上げしない限りは現状維持」(50代・男性・首都圏在住)
「1000円以下なら変化無し」(60代・男性・首都圏在住)
「数百円程度の値上げなら気にならない」(20代・男性・首都圏在住)
運賃が値上げされても、有料着席サービスについては66.2%が「変化はない」と回答しました。グリーン料金などの追加料金は値上げされていないことなどが、その理由として挙げられています。一方で、「変化がある」とした回答も12.3%ありました。
「回数が3分の2程度に減った」(60代・男性・首都圏在住)
「値段次第では利用を控えるかもしれない」(40代・男性・北関東在住)
「特急料金の値上がり次第では利用を控えるかもしれない」(30代・男性・近畿在住)
また、グリーン料金や特急料金など、運賃に加算される料金がいくらまでなら利用するか聞いたところ、42.7%が「1000円以下」と回答しました。続いて39.3%が「500円以下」と回答しており、8割以上の回答者がおおむね500円から1000円の範囲であれば利用する意思があることが分かりました。
なお、「追加料金は払いたくない」との回答は5.6%に留まりました。反対に「いくらでもよい」「月額2万までなら許容」(60代・男性・首都圏在住)といった意見や、「自腹の場合は500円以下」(20代・男性・首都圏在住)、「距離と所要時間によるが、4時間以上であれば時間単価500円位は利用」(40代・男性・九州沖縄在住)と柔軟に利用するケースもあるようです。
多い「グリーン車」利用も深刻な問題も
回答者のうち、最も利用されている「有料着席サービス」の路線は、小田急ロマンスカーでした。全回答者の15.7%を占め、私鉄特急に絞ると45.1%と半数に迫ります。
私鉄では、「京王ライナー」や東武の「TJライナー」「THライナー」、京急「ウィング号」、京成「スカイライナー」、西武池袋線や西武新宿線で運行されている各特急列車も挙がっており、関東の私鉄各社で幅広く利用されているようです。
関西では京阪ライナーの利用が最も多く、近鉄特急や南海の「サザン」「ラピート」にも複数の票が集まりました。
一方、JRのグリーン車では首都圏の中央線が最も利用されており、全体の10.1%、JR利用者に限定すると33.3%と約3割を占めています。ただし、東海道線や高崎線、宇都宮線、横須賀線、常磐線など、湘南新宿ラインや上野東京ライン系統の利用者として合算すると、全体の14.6%、JRでは48.1%を占めています。
総武線快速のグリーン車も多く利用されているほか、JRの特急列車では「湘南」や「あかぎ」「かいじ/あずさ」の利用も見られます。
「(中央線の)東京始発の電車だと東京駅の乗客だけでグリーン車が埋まってしまうことが多く、途中駅からだとグリーン車に座れないこともあります。以前の中央ライナーや青梅ライナーのように座席を分けてほしい」(40代・男性・首都圏在住)
「JRグリーン車導入線区の中で中央線(青梅線)だけが線内限定であるのは納得できません。湘南新宿ライン、上野東京ライン、総武快速線等との料金通算制の導入を強く希望しています」(60代・男性・首都圏在住)
「ただ乗りしている人をしっかりと追い出して欲しい」(50代・男性・首都圏在住)
グリーン車を利用する回答者からは、「座席の指定化」を望む声が多く挙がりました。始発駅付近で満席となることも多く、途中駅から利用する人の中には、利用時間をずらさなければならないなど不便を感じているケースもあるようです。
また、グリーン車の不正乗車を頻繁に見かけることへの不満や、中央線のみ料金通算制の対象外となっている現状の改善を求める意見も多く寄せられました。
一方、私鉄の特急列車利用者からは大きな不満はあまり聞かれなかったものの、京急「モーニング・ウィング号」やロマンスカー「メトロホームウェイ」などについては、一部列車の増便を求める声が挙がりました。
また、グリーン車や特急列車の設定を望む路線については、JRでは京葉線、武蔵野線、内房線、外房線、横浜線などが挙げられました。さらに、相互直通運転によって移動距離が長くなっている路線についても、有料着席サービスを導入してほしいという意見が寄せられています。