「あれ、給油できない?」セルフGSに潜む“中の人”の役割 一部をAIが代行へ!? どう変わるのか

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セルフサービスのガソリンスタンドには実は事務所に必ず誰か従業員がいます。このスタッフの負担をAIで軽減しようという動きが起きています。

セルフでも「許可」は別!

 AIを活用した個人認証・業界特化型課題解決ソリューションを提供するエレメンツは2026年5月22日、セルフサービス式ガソリンスタンド向けの自動給油許可監視システム「AiQ PERMISSION(アイキューパーミッション)」について、関連法令に準拠した試験において「試験確認証明書」を国内で初めて取得し、全国のセルフ式ガソリンスタンド向けの販売を開始したと発表しました。

 このシステムは、セルフ式ガソリンスタンドにおける業務の一部をAIが代替することで、従業員をより付加価値の高い業務へシフトさせるほか、ヒューマンエラーによる事故やトラブルの防止など、さらなる安全性の向上を支援するものです。

 実は、ドライバー自身が給油を行うセルフ式ガソリンスタンドであっても、深夜を含め無人で営業しているわけではありません。

 総務省消防庁によると、セルフ式ガソリンスタンドでは、誤給油の恐れがないか、ポリタンクなどの容器へ給油しようとしていないか、子どもに給油ノズルを持たせていないかなど、危険につながる行為に注意を払い、必要に応じて適切な指導を行う必要があるといいます。

 利用客が一連の手順を問題なく終え、給油ノズルをクルマの給油口に差し込んだ時点で、店員はサービスルーム内にある「制御卓」と呼ばれる装置の「給油許可」ボタンを押します。これにより給油が可能になります。一見無人に見えても、「給油監視」と「給油許可」を行うため、必ず1人はサービスルームに常駐する必要があります。ガソリンスタンドで給油がなかなか始まらなかった経験がある人は、事務所にいる従業員による「給油許可」が遅れていた可能性があります。

 ただし、この安全性を担保する仕組みでは、常に1人のスタッフが給油許可ボタンの近くで監視を続ける必要があるほか、ヒューマンエラーが発生する可能性も否定できません。そこで、安全性を確保しながら業務の効率化を図ろうと開発されたのが、同社の自動給油許可監視システムです。

 このシステムが導入されると、職員がすべての利用客を常時監視する必要がなくなり、1件ごとの給油許可操作も不要になります。

 従来は有人スタッフが担っていた常時監視をAIが行い、正常な給油状態であれば自動的に給油を許可します。一方で、火気使用の疑いがある場合や、ポリタンク・携行缶への給油が疑われる場合には、給油の不許可や停止、従業員への警告を自動で実施します。また、給油開始後も継続して監視を行い、危険行為を検知した場合には警告や給油停止措置を講じます。

既に導入されているスタンドも!?

 コスモエネルギーホールディングスはすでに、全国で自社のセルフサービス式ガソリンスタンドへエレメンツのAIシステムの導入を開始する方針を2026年5月8日に発表しており、今後はさらなる省人化が進むとみられます。

 同社によると、国内の給油所数は1994年度末の6万421カ所をピークに減少を続けており、この30年間で半数以下となっています。近年では人手不足や後継者不在によるサービスステーションの閉店も要因の一つに挙げられています。特に過疎地域では、サービスステーションの閉店が「地域インフラの危機」と捉えられており、大きな課題となっています。

 こうした状況を受け、消防庁でも省人化策の検討が進められ、2026年2月27日の法改正により規制が緩和されました。その結果、一定の条件を満たした「自動制御装置」の導入が認められることとなりました。