「えっ、操縦席どうぞ!?」 日本じゃ有り得ない「空港行き水上飛行機」が”常識破り”の連続だった 高度も乗り方も驚愕

2026年工作機械好調の要因は?

2026年現在、日本では定期旅客便として利用できる水上飛行機は存在していません。しかし、カナダ西部の都市バンクーバーでは、水上飛行機が日常的な移動手段として利用されています。乗り心地はどのようなものなのでしょうか。実際に定期便へ搭乗してみました。

保安検査、ナイんですか…?

 2026年現在、日本では定期旅客便として利用できる水上飛行機は存在していません。しかし、カナダ西部の都市バンクーバーでは、水上飛行機が日常的な移動手段として利用されています。乗り心地はどのようなものなのでしょうか。実際に定期便へ搭乗してみました。

 カナダには世界最大級の水上飛行機専門航空会社「ハーバーエア」があり、同国各地で1日最大200便もの定期便を運航しています。そのなかにはバンクーバー国際空港へ乗り入れる路線もあり、水上飛行機で空港へ向かい、そのまま旅客機へ乗り継ぐという、日本ではなかなか想像できない移動スタイルも可能です。

 今回はその一例として、バンクーバー島東部の都市ナナイモからバンクーバー国際空港までの便を利用しました。運賃は2万1320円で、時刻表上の飛行時間は約20分です。

 ナナイモ側の発着場は、一般的な空港というより小さな港に近い雰囲気です。港の一角にあるハーバーエアの建物でチェックインを行い、その際にパスポートの確認と手荷物の重量測定が行われます。手続きが終わると、記名のないプラスチック製カードを受け取り待合室へ向かいます。

 待合室は海沿いのカフェレストランのような建物の1階にあり、一般的な空港のような保安検査はありません。室内には椅子が並び、コーヒーや水などを無料で利用できます。

 いよいよ桟橋を渡って搭乗です。使用機材はカナダを代表する航空機メーカー、デ・ハビランド・カナダ製の「DHC-3 オッター」。客室は横2席と1席の配置で、定員は10人です。操縦士は1人で、コックピットと客室を隔てる壁もありません。この日は半数以上の座席が埋まっていました。

実乗したら「コレ、旅客機じゃ有り得ない…」の連続

 機内安全説明は、パイロットが持つタブレット端末を使って行われます。そして出発直前、驚く出来事がありました。パイロットが空いていた右側の操縦席に座りたい人を募ったのです。もちろん筆者も立候補しましたが、残念ながら選ばれませんでした。

 定期便でありながら、こうした体験まで提供しているところに、ハーバーエアが単なる移動手段ではなく、搭乗そのものを楽しんでもらうことも重視している姿勢を感じました。

 海上を滑走する際の揺れは思ったほど大きくなく、離陸も非常にスムーズでした。離陸後に印象的だったのは飛行高度です。航空機追跡サイト「フライトレーダー24」によると、この便の巡航高度は約400フィート(約120m)でした。

 一般的な旅客機は巡航中に高度1万m前後、国内線向けのプロペラ旅客機でも5000~8000m程度を飛行することが多いため、それと比べると驚くほど低い高度です。窓の外には海岸線や街並みが間近に見え、感覚としては遊覧飛行に近いものがありました。

 20分ほどでバンクーバー国際空港近くへ到着します。巡航高度が低いため降下もあっという間で、そのまま川へ着水しました。飛行機による着水は初体験でしたが、衝撃はほとんどなく、これまで経験した旅客機の着陸よりもむしろ滑らかに感じるほどでした。

 バンクーバー国際空港はメインターミナルと南ターミナルを中心に構成されています。ハーバーエアの発着場は南ターミナル近くの川沿いにあり、建物内では食事も楽しめます。南ターミナルへは徒歩で移動できるほか、メインターミナルへも無料連絡バスが運行されています。

 バンクーバーでは「水上飛行機で空港へ行き、そのまま国際線へ乗り継ぐ」という、日本ではなかなか見られない移動スタイルが日常的に成り立っているのかもしれません。