東京都内、駐車場ありすぎ? マイカー減少で駐車場の設置基準を見直しへ 今後の開発に影響か

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東京都が、建築物に駐車場の設置を義務付ける「東京都駐車場条例」の見直し案を発表しました。一部用途で設置基準が緩和される一方、共同住宅の荷さばき駐車場の義務が追加されるなど、現代の交通事情を反映した内容となっています。

「クルマ離れ」背景? 駐車場の設置基準を緩和

 東京都都市整備局は2026年6月9日、「東京都駐車場条例の見直しの考え方(案)」を発表し、都民からの意見募集を開始しました。

 この条例は1958(昭和33)年に制定され、交通の発生源となる建築物に、その需要に応じた駐車施設の設置を義務付けることで、道路交通の円滑化を図ることを目的としています。しかし、都内の駐車場台数は増加傾向にある一方で、自動車保有台数はやや停滞、特に区部では減少傾向にあるとのこと。また、カーシェアリング市場の拡大や宅配需要の増加といった、自動車の利用形態の変化も顕著だといいます。

 こうした状況を踏まえ、都は2023年度から2025年度にかけて駐車施設の利用実態調査を実施。その結果、一部の用途で駐車場に余剰がある傾向が確認されたことから、駐車場の「附置義務基準」の見直しを行うことになりました。

 具体的には、一般駐車施設について「特定用途のその他(区部)」と「共同住宅(区部・市部)」で基準が緩和されます。例えば、駐車場整備地区などに延べ面積1500平方メートル超の建物を建てる場合、「特定用途のその他(百貨店や店舗、共同住宅を除く)」の基準は、現行の「区部 300平方メートルごとに1台」から「450平方メートルごとに1台」へと緩和されます。

 また、延べ面積2000平方メートル超の共同住宅の場合、区部では現行の「350平方メートルごとに1台」が「450平方メートルごとに1台」に、市部では「300平方メートルごとに1台」が「350平方メートルごとに1台」へと、それぞれ設置基準が緩和される案が示されています。

 一方で、荷さばき用の駐車施設については、基準が強化される動きもあります。利用実態調査の結果、区部・市部の「事務所」で荷さばき用の駐車台数が不足している傾向が見られたためです。

 これを受け、駐車場整備地区等における事務所の附置義務基準は、現行の「5500平方メートルごとに1台」から「5000平方メートルごとに1台」へと強化されます。

マンション駐車場が変わる 「背高トラック」への対応も

 また、今回の見直しで特に大きな変更点となるのが、共同住宅への対応です。2025年3月に駐車場法施行令が改正され、自動車の駐車需要が大きい「特定用途」に「共同住宅」が追加されました。これに伴い、都の条例でも共同住宅が特定用途として位置づけられます。

 これにより、これまで附置義務の対象外だった共同住宅にも、荷さばき駐車施設の設置が新たに義務付けられます。対象となるのは、駐車場整備地区等で延べ面積2000平方メートル超かつ50戸以上、周辺地区等で延べ面積3000平方メートル超かつ50戸以上の共同住宅です。

 基準は「100戸ごとに1台」を基本としつつ、都の実態調査結果を踏まえ、設置が求められる2t車サイズの車室数は「300戸以下で1台、301戸以上で2台」と定められます。

 法令改正を踏まえた見直しは、他にも多岐にわたります。近年、荷さばき車両の車高が高くなっていることを受け、荷さばき駐車施設のはり下高さの基準が、現行の3.0m以上から3.2m以上に引き上げられます。

 さらに、開発の柔軟性を高めるための見直しも盛り込まれました。既存の建築物で、附置義務基準以上の台数を確保した上で駐車場を減らす場合、これまでは「認定」が必要でしたが、今後は手続きが簡素な「届出」で済むようになります。駐車場を廃止した際に知事への届出を義務付ける規定も新設され、行政が駐車場のストックを正確に把握できるようになります。

 加えて、特別区や市が地域の実情に合わせて独自の駐車場条例を定めた場合、都の条例の適用が除外される規定も整備されます。より地域特性に応じた駐車場整備が可能になることが期待されます。

 都は、基準緩和によって生じたスペースを、「良好な都市環境の形成に資する用途」へ転用するよう努める規定も追加し、都市空間の有効活用を促進する考えです。