W杯安全観戦へ異例の備え=3カ国共催・治安情勢踏まえ―外務省

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 11日に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会に向け、外務省が現地を訪れる邦人の安全対策を強化している。専用のウェブサイトをW杯で初めて開設し、音声配信サービスも活用して注意を呼び掛ける。臨時事務所を現地に置くなど、異例の手厚さで選手団やサポーターの不測の事態に備えている。
 「渡航前に『たびレジ』への登録を。緊急時に命綱になります」。茂木敏充外相は1日、日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長と外務省で面会し、海外安全情報配信サービス「たびレジ」の活用を呼び掛ける動画を収録した。前日に東京都内で行われた壮行試合では「たびレジ」のチラシを配布し、広報動画をスクリーンで流した。
 W杯は11日から7月19日にかけ、米国、メキシコ、カナダで開催される。日本代表は1次リーグでオランダ、チュニジア、スウェーデンと対戦。オランダ戦とスウェーデン戦は米ダラス、チュニジア戦はメキシコ・モンテレイが舞台だ。
 外務省が異例の安全対策に乗り出したのは、史上初の3カ国開催に伴う混乱が予想されるためだ。日本代表は「史上最強」との前評判で、多くのサポーターの渡航が見込まれることもある。メキシコで犯罪組織の銃撃戦が頻発するなど、開催地の治安が必ずしもよくないことも考慮した。
 外務省は「海外安全対策特設ページ」を本省ウェブサイトに設けたのに加え、現地の在外公館のサイトにも同様のページを開設。治安やテロの情報から、出入国の注意点や在外公館の連絡先まで、役立つ情報を集約した。音声配信サービス「Voicy」でも安全情報を毎週発信する。
 同省は現地の体制も強化しており、ダラスに在ヒューストン総領事館、モンテレイに在メキシコ大使館の臨時事務所を設置。試合前日から翌日までの3日間、旅券紛失や事件・事故など不測の事態に対応する。決勝トーナメントに進出した場合も同様の体制を整える方向で検討している。 
〔写真説明〕アイスランド戦の来場者に配布された海外渡航に関するチラシ=5月31日、東京・MUFGスタジアム
〔写真説明〕サッカーW杯壮行試合のアイスランド戦前、場内に映し出された外務省の広報動画=5月31日、東京都新宿区のMUFGスタジアム