【ニューヨーク時事】国連総会(193カ国)は3日、安全保障理事会の非常任理事国10カ国のうち、今年末で任期を終える5カ国の改選を秘密投票で行った。多額の国連分担金を支払うドイツが落選し、アジア太平洋地域からキルギスが初当選するなど、国際社会の力関係の変化を示唆する異例の展開となった。
選出されたのはオーストリア、キルギス、ジンバブエ、トリニダード・トバゴ、ポルトガル。今年末に安保理を外れるギリシャ、ソマリア、デンマーク、パキスタン、パナマに代わり、来年1月から2年の任期を務める。非常任理事国は、五つの地域グループごとに議席数が決まっており、毎年半数が交代する。
西欧その他のグループに立候補したドイツは、日本に次ぐ加盟国4位の分担金を負担。過去に6回非常任理事国を務めており、東西統一後初めて落選した。ワーデフール独外相は記者団に対し、同国のウクライナ支援に反発するロシアが「反対キャンペーンを展開した」と指摘。さらに「イスラエルに対して常に特別な責任を果たさなければならない点が票を減らした可能性がある」と述べ、中東情勢に関してイスラエル寄りの姿勢が加盟国に受け入れられなかったと分析した。
アジア太平洋グループの1議席はキルギスとフィリピンが争った。フィリピンは中国との間で南シナ海での領有権問題を抱えており、中国やロシアがキルギスを支持したとみられる。
非常任理事国に拒否権はないが、任期中に少なくとも一度は議長国を務め、議題について一定の裁量を持つことになる。フィリピンの落選は、安保理での中国の影響力拡大につながる可能性があり、アジア太平洋グループのある外交筋は「日本にとっては良くないきざし」との見方を示した。
〔写真説明〕3日、ニューヨークの国連本部で記者団の取材に応じるワーデフール独外相(AFP時事)