「貫通から10年経つトンネル」ようやく日の目? 日本一長い川沿い「約50kmの大規模バイパス」計画のいま(後編) まだまだかかりそう? 現地では“別のバイパス”も建設中

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長野県の東信地域では、約50kmにも及ぶバイパスが計画されています。千曲市内では10年前に貫通したトンネルの前後区間の建設がようやく進んでいます。どのような段階なのでしょうか。

川の向こうの「新国道」 でも県道もバイパス建設中!?

 千曲川沿いの長野県東信地方を貫く国道18号では、約50kmにも及ぶ大規模な国道バイパスが計画されています。このうち千曲市内では、2016年に貫通したトンネルの前後区間が10年の時を経て、開通へと近づきつつあります。

 千曲川右岸(北側)を貫く東信地方の国道18号のうち、上田市から千曲市にかけての約50kmは現道とバイパスが併存する区間として計画されています。上田市内の「上田バイパス」より西側は、主に川の対岸(左岸)に「上田坂城バイパス」4.9km、「坂城更埴バイパス」19.2kmが計画されています。

 ただ、上田坂城バイパスで上田市から坂城町に入ったところで、バイパスは途切れます。その先、坂城更埴バイパスとして3.8kmの延伸事業は進んでいるものの、そこから千曲市内までの10km以上は「調査中」の区間です。

 この区間は「上山田温泉」の温泉街があり、そこを避けるとすれば千曲川の堤防を通すか、比較的長いトンネルが必要になると考えられますが、いずれにしても実現は不透明と言わざるを得ません。というのも、並行して通る県道77号「長野上田線」があるほか、未事業化区間の対岸の国道18号現道は、そこまで混雑していないことも明らかになっているからです。

 また、県は県で長野上田線の改良を進めており、千曲市若宮地区では歩道のない現道を解消する1.2kmの県道バイパスも建設中で、2029年度にも完成する予定となっています。このため、国道バイパスの検討を進めるとすれば、県道バイパスの効果も見定めてから、ということになると考えられます。

最後の「橋」 具体化は見通せず

 一方、この県道長野上田線の千曲市八幡から途中で分岐する形で、坂城更埴バイパスの3.0kmが2008年に開通しています。暫定2車線ながら主要交差点には立体部を作れるよう中央分離帯も広くとられた高規格なつくりです。この区間は対岸の現道も主要渋滞箇所が分布しているため、未事業化区間よりも早く着手されました。

 この区間は途中で国道403号との重複区間となり、道なりに進むと大きくカーブして千曲川(千曲橋)を渡り、右岸の国道18号現道に連絡しつつ、しなの鉄道の屋代駅に着く線形となっています。その途中、千曲橋の手前でカーブせずにそのまま北へ進める区間として、坂城更埴バイパスの延伸部2.6kmの建設が進んでいます。

 延伸部ではすでに、長さ174mの「稲荷山トンネル」が口を開けています。2016年11月の貫通から今年で10年が経とうとしていますが、千曲市によると「地盤状況が軟弱なため、地盤改良工事などに時間を要してきました」とのことです。しかし、いよいよトンネル前後の区間も土工が進められており。2026年5月に訪れると真新しい歩道橋も供用を待つ状態でした。

 2.6kmの開通見込みは示されていませんが、千曲市も「開通に向け工事が着実に進められています」と報告しています。この区間の終点はやはり、県道長野上田線に接続します。

 その先は、坂城更埴バイパスとして千曲川に新しい橋を架け、対岸の現道を拡幅した「更埴拡幅」(1994年完了、3.2km)の区間に接続、長野道の更埴ICの新たなアクセス道路とする計画です。しかし千曲川を渡る部分も事業化されていません。

 現在建設中の延伸部からは、長野上田線で千曲川左岸から更埴拡幅の区間に回り込んで更埴ICを利用することもできるため、当面はそのルートが活用されると見られます。

 上田-長野間の国道18号バイパスは昭和40年代から都市計画が順次作られてきましたが、現道の交通量に鑑みて優先度の高い区間から着手していった結果、半世紀以上のなかで約50kmのうち約18kmが暫定2車線でできたという段階。全線の開通までは1世紀かかる可能性もありそうです。