リヴァプールの監督を退任したアルネ・スロット氏が在任期間を振り返りつつ、ファンへの感謝を綴った。
ユルゲン・クロップ前監督の後任という難しい役割を任されたスロット氏は、就任初年度にいきなりプレミアリーグを制覇。しかし、4億ポンド(約859億円)以上を投じる大型補強を敢行して迎えた今シーズンは、連覇を目指したプレミアリーグで早々と優勝争いから脱落し、無冠という不本意な結果に。すると、現地時間5月30日にクラブから2027年6月末の契約満了を待たずしての退任が発表された。
2年で『アンフィールド』を去ることとなったスロット氏は、地元紙『リヴァプール・エコー』にファンへのメッセージを寄稿している。
「アンフィールドのトンネルにある有名な看板の下を潜ると、様々な感情が込み上げてくる。このクラブの輝かしい歴史に対する責任だ。当然ながら使命感もある。134年もの間、リヴァプールを世界屈指の名門へと押し上げてきた伝統に恥じないというものだ。そして、戦い抜く決意、勝利を掴み取る決意。世界中にその名を知られる『アンフィールド』のサポーターたちに成功をもたらすという決意だ」
「そのすべての感情が、わずか12カ月後にプレミアリーグ優勝という形で結実したことは、格別の喜びだった。それは単なるトロフィーではなく、クラブ全体で多くの人が示した努力、犠牲、そして献身に対する報いだった。そして、みんなが私たちとその喜びを分かち合ったからこそ、その瞬間はさらに意味深いものとなった。歌を歌い、ゴールを祝福し、トロフィーを掲げた日、みんながそこにいた。スタジアムの外の通りまで埋め尽くし、期待に胸を膨らませながら『アンフィールド』を包み込んでくれた」
通算20度目のプレミアリーグ優勝、優勝パレードでの傷ましい事件、元ポルトガル代表FWディオゴ・ジョッタ氏の急逝。KOP(コップ/リヴァプールファンの愛称)とともにしてきた苦楽を振り返りつつ、スロット氏が強調したのは感謝だった。
「私たちを結び付けた絆はサッカーという枠を超え、『アンフィールド』の照明のもとでのヨーロッパの夜や、スタンドから響き渡る『You’ll Never Walk Alone』の歌声だけにとどまらない。最初から私を温かく迎え入れ、歩みを支えてくれた。私にとってかけがえのない宝物だ」
「もちろん、感謝の気持ちを伝えることは欠かせない。世界中でこのクラブを代表し、誇りを持ってエンブレム身に付けてくれた選手たち、トレーニンググラウンドで働くスタッフ、『アンフィールド』のピッチ整備や食堂など舞台裏で支えてくれたすべてのスタッフ。クラブの首脳陣とオーナー陣にも感謝している。そして、私を支え、『リヴァプール・ウェイ』の大切さを教えてくれたレジェンドたち。みんなとともに働けたことは私にとって大きな喜びだった」
今シーズンは苦戦を強いられながらもチャンピオンズリーグ(CL)出場権は死守。来る2026-27シーズンは新指揮官のもとでの再出発となる。スロット氏はリヴァプールの未来について次のように綴っている。
「クラブがまさに相応しい場所、つまりヨーロッパのエリートクラブの中にいることを確信して、私はここを去る。CL出場権獲得は重要な責任であり、リヴァプールが来シーズン以降もトップレベルで戦い続けるための確固たる基盤だ。私は未来に絶対的な自信を持っている。このクラブに貢献し、価値観を守り、数々の忘れられない瞬間を作り出してきた選手たちが永続する礎を築いてくれた」
「同時に、新たな世代が台頭し、自らの物語を紡ぎ、このユニフォームを着る責任を担う準備ができている。変化はサッカーの一部だが、このクラブはこれからも人々を誇りに思わせ続けると確信している。『アンフィールド』のトンネルにあるあの看板の下に初めて立った時、私はこのクラブが何を求めているのか悟った。決して諦めずに努力し続けたという確信を持って、私はここを去る」