VRChatで公開された「バーチャル広島駅 2.u」。新たな交流の場として定着するキャパシティはあるのでしょうか。
メタバースでお手軽旅行のメリットと課題
JR西日本は2026年5月27日(水)から、ソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」上において、仮想空間内でコミュニケーションを取れる場として「バーチャル広島駅 2.u」をオープンしました。
VRChatでは、過去にも秋葉原駅や大阪駅など様々な駅舎が公開され、そのクオリティの高さが多くのユーザーに評価されてきました。電車、飛行機、船、自動車といった多様でハイクオリティな乗りものを操作・鑑賞できる空間も存在しており、企業やユーザーがモビリティを題材にしたワールド(仮想空間)は数多く存在します。
こうした需要を見越してローンチされただけあって、オープン直後から「バーチャル広島駅」には多くのユーザーが訪れています。28日現在で、すでに1万5000人以上の来訪者を記録しています。
このバーチャル広島駅は大きくわけて2つの構造に分かれています。前半部は周囲を撮影し3D化する「ガウシアン・スプラッティング」という技術で再現された電車や、ホームおよび在来線コンコースがあり、これらは自由に移動できます。そして在来線コンコースの途中から後半のフィールドへと切り替わり、レトロでネオン感あふれる演出を挟んだのち、新幹線コンコースへと移動するようになっています。
本ワールドはパソコンからのアクセスだけでなく、スマートフォンやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)単体からでもアクセスが可能です。ただし、後者からアクセスした場合は仕様の都合上、広島駅新幹線コンコース内に直接遷移することになり、それ以外の場所へは行くことができません。
公開後から日本・海外問わず多くのユーザーが、交流を目的として本ワールドを訪れています。最大の特徴としては、一度に80人まで同時アクセス可能な、キャパシティの大きさが挙げられます。これは、交流目的でユーザーが集まるワールドのなかでも、同時接続人数が多い部類に入ります。
一方で、同ワールドには課題もあります。制作者の技術次第ですが、VRChatのワールド制作者は、ユーザー間で交流できるいろいろなツールをワールドに設けることが可能です。しかし、このワールドはそのような設備が一切なく、椅子のように見える場所も「座る」アクションが行えません。交流目的として設計されたにしては、やや物足りなさを感じるのは否めません。
これまで公開された数々のワールドと比較して、今回提供されたワールドがどれだけの体験価値を示せるのかどうか。バーチャル広島駅の今後のアップデートが待たれるところです。