燃えない、壊れにくい、ハイパワー!「全固体電池」積む“未来のEV”は誕生するか? 世界の勢力図を塗り替えるかもしれない新技術とは

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電気自動車(EV)の普及が進むなか、自動車メーカー各社が実用化に向けてしのぎを削っている次世代テクノロジー「全固体電池」。なぜそこまで注目されているのでしょうか。日産ブースを取材してきました。

夢の次世代バッテリー、全固体電池

 電気自動車がリリースされてかなりの年月が経ちました。ハイブリッド車に混じって、町中でその姿を見かけることも増えてきています。現在は主に配達事業者などを中心に電気自動車の投入が進んでいますが、事業者とメーカーがともに開発の実現を待っている技術があります。それが「全固体電池」です。

 2026年5月27日から29日までの3日間、パシフィコ横浜で開催中の「人とくるまのテクノロジー展 2026」内で、日産自動車がその実現可能性に関する内容をブース内で展示しています。日産自動車といえば「リーフ」「サクラ」「アリア」といった、多くの電気自動車を世に送り出してきたメーカーです。

 今回展示された全固体電池へのロードマップは、現状ではまだ研究開発段階にある技術ではあるものの、今後製品化に向けての糸口を見つけつつあるとのことです。この技術は、現時点で自動車をはじめモバイルバッテリーなどに使われている電池の「次世代の姿」として大きな期待を集めています。

 現在主流となっているリチウムイオン電池は、プラス極とマイナス極の間にセパレーター(仕切り)を入れ、内部を2種類の異なる液状物質で満たしている仕組みです。この物質同士を危険でない程度に反応させることで、電気を蓄えたり放出したりしています。

 しかし、この液体同士は非常に反応しやすく、何らかの強い衝撃で仕切りが壊れるなどすると、液体が異常加熱し、激しい燃焼を引き起こして大火災になるリスクがあります。

モバイルバッテリーの火災や電気自動車の燃焼事故、回収バッテリーによる火災などは軒並みこの反応が原因であり、耐衝撃性と安全性の両面でいまだ課題を抱えています。

 一方、全固体電池はその名のとおり内部の電解質が固体なので、液漏れがなく安定しています。固体同士なので混ざりにくいため、反応も起きにくいというメリットもあります。そのため火災のリスクが低く、衝撃に対しても強いことから、高い安定性・耐久性があると期待されているのです。

 ただし製造には相応の難しさも伴います。電池の材質を均一に塗り広げる技術や、その面積へと拡大する技術、双方がメーカーにとって高いハードルとして立ちはだかっています。

 現在は小型のボタン電池サイズであれば実用化のめどが立っているこの技術、どの自動車メーカーが最初に大型化・量産化の目標を達成するのかで、自動車産業を含めた世界のバッテリー勢力図が大きく塗り替わる可能性を秘めています。