イーロン・マスクが掘った「謎の地下トンネル」に潜ってみたら… EVが疾走する未来の交通システム「ベガス・ループ」に驚いた!

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ラスベガス地下に未来的なトンネル・ネットワーク「ベガス・ループ」が拡大中です。

未来的? 怪しげなライトに照らされた乗車駅

 日本人の多くはラスベガスというと、カジノのイメージが強いかもしれませんが、近年はF1グランプリやNFLなどプロスポーツの誘致も盛んであり、総合エンターテインメントの街として発展を見せています。そうした勢いを受け、大型カジノホテルなど新規の建設プロジェクトも盛んですが、その熱気は地上だけでなく、地下にもおよんでいます。それが新たな都市交通網「ベガス・ループ」です。

 ベガス・ループは、イーロン・マスク氏率いる企業が建設を進める交通システムで、地下トンネル内をテスラの電気自動車(EV)が走行し、大型ホテルや空港など主要施設を結ぶというものです。2021年に最初の区間が開業し、段階的に路線を拡大しています。

 マスク氏といえば、真空チューブ鉄道「ハイパーループ」などを提唱したことでも知られています。「ベガス・ループ」も同様に未来的な交通システムなのでしょうか。興味をそそられた筆者は、ラスベガスを訪問した機会に乗車してみました。

 筆者はベガス・ループの起点となっているラスベガス・コンベンション・センター中央(LVCCセントラル)駅から乗車することにしました。コンベンション・センター正面の、地下鉄出入口のような建物からエスカレーターを降りると、ちょっと怪しげなライトに照らされた地下空間が広がっていました。ここが乗り場のようです。

 スマートフォンで購入したチケットのQRコードを、乗り場中央の機械に読み取らせると、スタッフが乗車位置を指示してくれます。この日は大型イベントが開催されていたようで駅は混雑気味でしたが、小さなトンネルから次々とテスラ車が現れるため、それほど待たずに乗車することができました。

無人運航かと思っていたが……

 それでは、乗車です。てっきり無人運転だと思っていたのですが、運転手が乗っていました。トンネルは車両1台がギリギリ走れる程度の細さで、駅と同様に独特な色のライトに照らされており、交通手段であると同時にちょっとしたアトラクション感があります。途中に分岐もありますが、基本的には白いトンネルの一本道でした。

 ほどなくして、大型ホテル直結のリゾーツ・ワールド駅に到着しました。直線距離で約1.5kmなので、乗車時間は10分もかからなかったと思います。この区間の往復チケットが7ドル(約1100円)。地上を走るバスの1日フリーパスが8ドル(約1200円)なので、少し割高に感じるかもしれません。

 なんとも不思議な交通システムですが、地下鉄よりも低コスト・短工期であることが最大の売りのようです。2021年のコンベンション・センター新展示場オープンや、2023年のF1開催など、ラスベガスの交通需要の急速な増大にスピーディーに応える、合理的なシステムと言えるでしょう。